【害虫】衣類に穴を開ける虫の種類|イガ・コイガの特徴と見分け方

衣替えで久しぶりに取り出したセーターやコートに、小さな穴が開いていた経験はありませんか。

衣類の虫食いを起こす代表的な害虫には、イガ、コイガ、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシがいます。

イガとコイガは、小さな蛾の仲間です。ただし、衣類を食べるのは飛んでいる成虫ではありません。被害を与えるのは、クローゼットやタンスの暗い場所へ潜む幼虫です。

幼虫はウール、カシミヤ、シルク、毛皮、羽毛、じゅうたんなどを食べ、衣類へ不規則な穴や薄く削られた跡を残します。

さらに、衣類の繊維を集めて巣を作るため、服と同じ色をした細長い毛玉や薄い膜が付着している場合もあります👕

「衣類に穴があるのに虫が見つからない」「クローゼットに小さな蛾がいる」「服の表面へ糸や毛玉のような物が付いている」という場合は、イガやコイガの幼虫が潜んでいるかもしれません。

今回は、イガとコイガの特徴、成虫と幼虫の違い、衣類を食べる理由、好む素材、発生しやすい場所、カツオブシムシ類との見分け方を解説します。

  1. イガとコイガは衣類を食べる小型の蛾
  2. イガとコイガの基本情報
    1. 衣類を食べるのは幼虫だけ
    2. 成虫は衣類を食べない
  3. イガの特徴
    1. イガの成虫は灰色で黒い点がある
    2. 幼虫は衣類を使った筒状の巣へ潜む
    3. イガは年に複数回世代を重ねる
  4. コイガの特徴
    1. コイガの成虫は淡い白色や黄褐色に見える
    2. コイガの幼虫は膜状の巣を作る
    3. 雌成虫は飛ぶ力が弱い
    4. イガより広い食性を持つ
  5. イガとコイガの違い
    1. 成虫の色と模様が違う
    2. 幼虫が作る巣の形が違う
  6. 衣類へ穴を開ける主な虫の種類
    1. イガ
    2. コイガ
    3. ヒメマルカツオブシムシ
    4. ヒメカツオブシムシ
  7. イガとコイガは何を食べるのか
    1. ウール・カシミヤ・アンゴラ
    2. シルク・毛皮・羽毛
    3. じゅうたん・カーペット・フェルト
    4. 綿や化学繊維も汚れがあると被害対象になる
  8. イガとコイガが発生しやすい場所
    1. クローゼット・タンス
    2. 物置・納戸・押し入れ
    3. 家具・家電の裏
    4. じゅうたん・カーペットの裏
  9. イガとコイガが家へ入る理由
    1. 窓や玄関から成虫が入る
    2. 洗濯物と一緒に持ち込まれる
    3. 古着・中古家具・保管品と一緒に入る
    4. 鳥の巣が発生源になる場合がある
  10. 衣類へ残る虫食い被害の特徴
    1. 不規則な小さな穴が開く
    2. 縫い目や折り目へ被害が出る
    3. 細長い毛玉や薄い膜が付く
    4. フンや抜け殻が見つかる
  11. イガとコイガは人を刺すのか
    1. 毒針や吸血する口を持たない
    2. 主な被害は衣類や家財への損傷
  12. 季節によって発生数は変わるのか
    1. 春から秋は成虫と幼虫が目立つ
    2. 暖かい室内では年間を通じて注意が必要
  13. 新築やマンションにもイガは出るのか
    1. 建物の新しさより衣類と持ち込み品が関係する
    2. 高層階でも洗濯物や荷物から入る
  14. イガやコイガを見つけた時の確認場所
    1. 衣類の襟・袖口・折り目
    2. クローゼットやタンスの底
    3. じゅうたんや家具の裏
    4. 古い寝具・ぬいぐるみ・動物標本
  15. 見つけた時に避けたい判断
    1. 飛んでいる成虫だけを処理して終わらせない
    2. すべての虫食いをイガと決めつけない
    3. 高価な衣類へ薬剤を直接吹き付けない
  16. 専門業者へ相談したい状態
    1. 複数の収納場所で成虫や幼虫が出る
    2. 発生源が鳥の巣や屋根裏にある
    3. 着物・毛皮・高級衣類へ被害が出ている
    4. 業者へ依頼する前に料金を確認する
  17. よくある質問
    1. Q1. イガとコイガの違いは何ですか?
    2. Q2. 衣類を食べるのは成虫ですか?
    3. Q3. イガの幼虫はどのように見えますか?
    4. Q4. コイガはイガより小さいのですか?
    5. Q5. 化学繊維の服も食べられますか?
    6. Q6. イガやコイガは人を刺しますか?
    7. Q7. 新築マンションにも出ますか?
    8. Q8. クローゼットで小さな蛾を1匹見たら被害がありますか?
  18. まとめ
    1. イガは筒状、コイガは膜状の巣を作る
    2. カツオブシムシ類との違いは幼虫の毛と巣
    3. 小さな蛾を見つけたら衣類以外の繊維製品も確認する

イガとコイガは衣類を食べる小型の蛾

イガとコイガは、チョウ目ヒロズコガ科に属する小型の蛾です。

名古屋市衛生研究所では、イガを衣類の害虫として紹介し、動物質の繊維、じゅうたん、断熱材などから発生すると案内しています。※参考:名古屋市「ヒロズコガ類」

イガとコイガは成虫より幼虫の期間が長く、幼虫期に衣類や繊維製品を食べます。

小さな成虫を1匹見つけただけでも、周囲の衣類、じゅうたん、寝具、家具の裏などへ幼虫や巣がないか確認したいところです。

イガとコイガの基本情報

イガとコイガは、どちらも羽を持つ小型の蛾です。

成虫は数mmほどしかなく、茶色や灰色の小さな虫として見つかります。一方、幼虫は乳白色や淡黄色の細長い姿をしています。

衣類を食べるのは幼虫だけ

衣類へ穴を開けるのは、イガやコイガの幼虫です。

独立行政法人製品評価技術基盤機構は、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ、イガ、コイガを衣類の害虫として挙げ、実際に衣類を食べるのは幼虫だと説明しています。※参考:独立行政法人製品評価技術基盤機構「家庭用防除剤」

成虫がクローゼットへ入った直後に服へ大きな穴を開けるわけではありません。

成虫が衣類やホコリの近くへ産卵し、ふ化した幼虫が繊維を食べながら成長します。

確認項目 イガ・コイガの特徴
分類 チョウ目ヒロズコガ科
成虫の大きさ およそ4〜8mm前後
幼虫の大きさ およそ5〜7mm前後
被害を与える時期 幼虫期
好む環境 暗く、静かで、繊維やホコリがある場所
主な被害 衣類、毛織物、じゅうたん、羽毛、毛皮などの食害
人への直接被害 吸血や毒による被害は基本的にない

成虫は衣類を食べない

成虫は、幼虫の餌になる場所を探し、産卵する役割を持ちます。

クローゼットの中で小さな蛾を見つけた場合、成虫そのものによる食害より、近くに産み付けられた卵や幼虫の存在が気になります。

成虫だけを外へ逃がしても、すでに衣類へ卵がある場合は虫食い被害が続く可能性があります。

イガの特徴

イガは、名前を漢字で「衣蛾」と書く衣類害虫です。

成虫は小さな灰色の蛾で、幼虫は衣類の繊維を使った筒状の巣へ潜みます。

イガの成虫は灰色で黒い点がある

イガの成虫は体長約4.5mm、羽の先まで約8mmです。

前の羽は光沢を帯びたねずみ色で、3個の小さな黒点が見られます。

ただし、小さな虫を肉眼で見た際に、黒点まで確認できない場合もあります。

灰色の小型蛾がタンス、クローゼット、物置、じゅうたん周辺で見つかったなら、イガが候補になります。

幼虫は衣類を使った筒状の巣へ潜む

イガの幼虫は、食べた繊維の小片と自ら出した糸をつなぎ、両端が開いた筒状の巣を作ります。

巣の中へ体を隠し、頭部だけを外へ出して衣類を食べます。

幼虫は巣を背負ったまま移動するため、服の表面で細長い毛玉が動いているように見える場合があります。

巣は周囲の繊維と同じ色になりやすく、衣類の縫い目や折り目へ紛れると発見しにくくなります。

イガは年に複数回世代を重ねる

名古屋市によると、イガは1年に2〜3世代を経ます。

暖かい住宅では成長が進み、季節を問わず衣類被害が出る場合もあります。

成虫を見かけなくなった後も、筒状の巣へ入った幼虫が収納内に残っている可能性があります。

イガの状態 主な特徴
成虫 体長約4.5mmで、光沢のある灰色の羽に小さな黒点がある
幼虫 淡い色の体と黒っぽい頭部を持つ
幼虫の巣 繊維を集めた扁平な筒状で、巣ごと移動する
発生回数 1年に2〜3世代が目安
主な餌 羊毛、毛皮、羽毛、じゅうたん、動物質の繊維

コイガの特徴

コイガも、イガと同じヒロズコガ科の衣類害虫です。

名前に「コ」が付いていますが、成虫はイガより大きい場合があります。

コイガの成虫は淡い白色や黄褐色に見える

コイガの成虫は、体長約6〜8mmが目安です。

羽は淡い白色、黄白色、薄い黄褐色に見え、頭部には黄褐色の毛があります。

イガのような明瞭な黒点が目立たず、全体に淡く均一な色合いです。

KINCHOでは、コイガの成虫を体長約6〜8mmの淡い白色、幼虫を約6〜7mmと紹介しています。※参考:KINCHO「衣類の害虫の生態と種類を知る」

コイガの幼虫は膜状の巣を作る

コイガの幼虫も、繊維と糸を使って巣を作ります。

ただし、イガのように筒状の巣を背負って移動する形ではありません。

衣類、じゅうたん、壁際などへ糸を張り、不規則で平たい膜状の巣を作ります。

巣の表面には繊維くず、ホコリ、フンが絡み、薄汚れた綿くずのように見える場合があります。

雌成虫は飛ぶ力が弱い

コイガの雄成虫は飛べますが、雌は飛ぶ力が弱く、床や衣類の上を小走りに移動する姿も見られます。

小さな蛾がクローゼット内を歩いているように見えた場合、コイガが候補に入ります。

イガより広い食性を持つ

コイガは、衣類や毛織物だけでなく、玄米、小麦、鰹節などの乾燥食品へ発生する場合があります。

食器棚や食品庫の近くで見つかった際は、衣類だけでなく、開封済みの乾物や粉類も確認してください。

コイガの状態 主な特徴
成虫 淡い白色や黄褐色で、イガより大きく見える場合がある
幼虫 乳白色から淡黄色で、頭部は褐色
幼虫の巣 衣類表面へ不規則な膜状の巣を作る
動き 雌成虫は飛ぶ力が弱く、歩いて移動する場合がある
主な餌 毛織物、羽毛、毛皮、乾燥食品など

イガとコイガの違い

イガとコイガは、どちらも小さな蛾で、幼虫が衣類へ穴を開けます。

見分ける際は、成虫の色と大きさ、幼虫が作る巣の形、動き方を確認します。

成虫の色と模様が違う

イガの成虫は灰色で、前の羽へ小さな黒点があります。

コイガは淡い白色や黄褐色で、黒点が目立ちません。

ただし、照明の色、羽の傷み、個体差によって見え方が変わります。色だけで断定せず、巣の形も合わせて見てください。

幼虫が作る巣の形が違う

イガの幼虫は、衣類の繊維を使った筒状の巣へ入り、巣ごと移動します。

コイガの幼虫は、衣類の表面へ平たい膜状の巣を固定し、その内側で生活します。

服と同色の細長い筒が動いていればイガ、ホコリを絡めた薄い膜が張り付いていればコイガが候補です。

比較項目 イガ コイガ
成虫の大きさ 体長約4.5mm 体長約6〜8mm
成虫の色 光沢のある灰色 淡い白色・黄白色・黄褐色
羽の模様 小さな黒点がある 目立つ黒点がない
幼虫の巣 持ち運ぶ筒状の巣 固定された膜状の巣
主な食性 動物質の繊維を中心に食べる 動物質の繊維に加え、乾燥食品へ出る場合がある
発生回数 年2〜3世代が目安 年3〜4世代が目安

衣類へ穴を開ける主な虫の種類

衣類へ穴を開ける虫は、イガとコイガだけではありません。

ヒメカツオブシムシとヒメマルカツオブシムシも、家庭で見つかる代表的な衣類害虫です。

イガ

イガは蛾の仲間で、幼虫が繊維を使った筒状の巣を持ち歩きます。

灰色の小さな成虫、動く細長い毛玉、衣類の縫い目に残る筒状の巣が見分ける材料です。

コイガ

コイガも蛾の仲間です。

幼虫は衣類表面へ膜状の巣を作り、糸、ホコリ、繊維くず、フンを絡ませます。

ヒメマルカツオブシムシ

ヒメマルカツオブシムシの幼虫は、茶色や暗褐色で、全身に毛があります。

成虫は丸く小さな甲虫で、白、黄色、黒褐色のまだら模様が見られます。

春に窓辺や白い洗濯物で成虫を見つけ、夏から秋にクローゼット内で幼虫被害が現れる流れもあります。

ヒメカツオブシムシ

ヒメカツオブシムシの幼虫は赤褐色で、尾端に長い毛束があります。

成虫は黒褐色で、細長い小型の甲虫です。

イガやコイガの幼虫と違い、繊維を使った筒状・膜状の巣は作りません。

衣類害虫 幼虫の見た目 見分ける特徴
イガ 淡黄色で頭部が黒っぽい 繊維で作った筒状の巣を持ち歩く
コイガ 乳白色で頭部が褐色 衣類表面へ膜状の巣を作る
ヒメマルカツオブシムシ 茶褐色で全身に毛がある 成虫は丸く、白・黄・黒のまだら模様
ヒメカツオブシムシ 赤褐色で尾端に長い毛束がある 成虫は黒褐色の小型甲虫

イガとコイガは何を食べるのか

イガとコイガの幼虫は、主に動物由来の繊維やたんぱく質を含む素材を好みます。

高価な衣類だけが狙われるわけではなく、寝具、じゅうたん、ぬいぐるみなどへ被害が出る場合もあります。

ウール・カシミヤ・アンゴラ

羊毛を含むセーター、コート、マフラー、スーツは、代表的な被害対象です。

カシミヤやアンゴラなどの獣毛製品も、幼虫の餌になります。

衣類の折り目、縫い目、襟、袖口、ポケット周辺は、幼虫が隠れながら食べられる場所です。

シルク・毛皮・羽毛

絹製品、毛皮、羽毛布団、羽毛入りの衣類も被害対象になります。

着物、帯、スカーフ、ダウン製品、羽毛枕など、長期間動かさずに保管している品は注意が必要です。

じゅうたん・カーペット・フェルト

衣類以外では、ウール製じゅうたん、カーペット、フェルト、敷物などへ被害が出ます。

家具の下、壁際、じゅうたんの裏などは光が届かず、幼虫が潜みやすい場所です。

綿や化学繊維も汚れがあると被害対象になる

綿、ポリエステル、アクリルなどは、動物質の繊維ほど好まれません。

ただし、汗、皮脂、食べこぼし、飲料、たんぱく質汚れが付いていると、汚れと一緒に繊維までかじられる場合があります。

同じ服でも、襟、脇、袖口、食べこぼしの跡へ被害が集中する場合は、残った汚れが関係している可能性があります。

イガとコイガが発生しやすい場所

イガとコイガは、明るく人の出入りが多い場所より、暗く静かな収納空間を好みます。

衣類や繊維くず、ホコリがあり、長期間動かされない場所は、幼虫が成長しやすい環境です。

クローゼット・タンス

クローゼットやタンスは、衣類、暗さ、静けさがそろっています。

着用頻度の低い服、奥へ押し込んだ衣類、長期間開けていない引き出しは、被害へ気づく時期が遅れがちです。

物置・納戸・押し入れ

物置や納戸では、古い毛布、じゅうたん、ぬいぐるみ、羽毛製品などが長く保管されます。

段ボール、紙袋、ホコリもたまり、成虫が産卵できる場所が増えます。

家具・家電の裏

イガ類は、衣類だけでなく、家具の裏や部屋の隅にたまった繊維状のホコリから発生する場合があります。

髪の毛、ペットの毛、糸くず、羽毛、虫の死骸などが混じったホコリは、幼虫の餌になります。

じゅうたん・カーペットの裏

じゅうたんの裏、ソファの下、ベッドの下、壁際は、暗くて掃除が届きにくい場所です。

表面に穴が見えなくても、裏側や家具の脚周辺で幼虫が活動している場合があります。

発生場所 確認したい部分
クローゼット 衣類の折り目、襟、袖口、床のホコリ
タンス 引き出しの奥、底板、衣類の重なり
押し入れ 毛布、布団、収納袋、段ボール周辺
じゅうたん 裏側、壁際、家具の下
家具の裏 繊維くず、髪の毛、ペットの毛、虫の死骸
食品庫 鰹節、小麦、玄米などの乾燥食品

イガとコイガが家へ入る理由

イガやコイガは、タンスの内部から自然に生まれる虫ではありません。

成虫や卵が屋外から持ち込まれ、室内の暗い場所へ移動した後、幼虫が衣類を食べ始めます。

窓や玄関から成虫が入る

成虫が窓、玄関、換気口などから室内へ入る場合があります。

体が小さいため、網戸のすき間や窓枠から入り込む可能性も否定できません。

洗濯物と一緒に持ち込まれる

屋外に干した衣類へ成虫や卵が付着し、取り込む際に室内へ入る場合があります。

エステーでは、代表的な衣類害虫としてイガ、コイガ、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシを挙げ、成虫の飛来や洗濯物への付着を侵入経路として説明しています。※参考:エステー「衣類の虫とは?どんな種類の虫がいるのですか?」

古着・中古家具・保管品と一緒に入る

古着、毛布、じゅうたん、ぬいぐるみ、中古家具などへ幼虫や卵が付着している場合があります。

長く倉庫へ置かれていた布製品を室内へ持ち込んだ後に、虫食いが見つかる例もあります。

鳥の巣が発生源になる場合がある

イガ類は、自然界では鳥の巣などに生息します。

ベランダ、軒下、屋根裏、換気口付近に鳥の巣があると、巣に含まれる羽毛や動物質の素材で育った成虫が建物内へ入る可能性があります。

衣類へ残る虫食い被害の特徴

虫食い穴の形だけで、原因となる種類を断定するのは簡単ではありません。

穴の周囲にある巣、糸、毛、抜け殻、フンも合わせて確認します。

不規則な小さな穴が開く

幼虫は、衣類の表面を削るように食べます。

初期は薄くなった部分だけでも、着用や洗濯によって繊維が切れ、穴として目立つ場合があります。

被害が進むと、複数の穴がつながり、大きく破れた状態になります。

縫い目や折り目へ被害が出る

幼虫は、外から見えにくい縫い目や折り目へ入り込みます。

襟の裏、袖口、ポケット、裾、脇、衣類同士が重なる部分に虫食いが集中する場合があります。

細長い毛玉や薄い膜が付く

イガの場合は、服と同色の繊維を使った細長い筒状の巣が残ります。

コイガでは、衣類表面へ薄い膜状の巣が付き、ホコリやフンが絡みます。

ただの毛玉やホコリと思って捨てた物が、幼虫の巣だった可能性もあります。

フンや抜け殻が見つかる

衣類害虫の幼虫が長く活動すると、細かなフンや抜け殻が周囲へ残ります。

衣類の下、引き出しの隅、じゅうたんの裏などへ粒状の汚れがある場合は、虫体や巣も探してください。

イガとコイガは人を刺すのか

イガとコイガは、人の血を吸う衛生害虫ではありません。

成虫も幼虫も、ノミや蚊のような吸血被害を与えないと考えられます。

毒針や吸血する口を持たない

イガやコイガを見つけても、刺される不安を強く持つ必要はありません。

皮膚へ赤みやかゆみがある場合は、ダニ、ノミ、トコジラミ、蚊など、別の原因も考えてください。

主な被害は衣類や家財への損傷

人体への直接被害が少ない一方、衣類、寝具、じゅうたん、毛皮、羽毛、動物標本などへ経済的な損害を与えます。

カシミヤのコート、着物、毛皮製品などへ穴が開くと、修復が難しい場合もあります。

季節によって発生数は変わるのか

イガとコイガは、春から秋に活動が目立つ衣類害虫です。

ただし、暖房や断熱設備が整った住宅では、冬も幼虫が活動する可能性があります。

春から秋は成虫と幼虫が目立つ

気温が上がると成長が進み、成虫の発生や産卵が増えます。

衣替えで冬物を長期間収納する時期と幼虫の活動期が重なるため、次の着用時まで被害へ気づかない場合があります。

暖かい室内では年間を通じて注意が必要

一年中室温が保たれた住宅では、冬でも活動が続く場合があります。

季節だけで安全だと判断せず、長く動かしていない衣類や収納場所を定期的に確認してください。

時期 見られやすい状態
成虫の発生や産卵が始まる
幼虫の食害が進みやすい
成虫や幼虫が引き続き見つかる
暖房のある室内では活動が続く場合がある

新築やマンションにもイガは出るのか

イガやコイガは、古い木造住宅だけに出る虫ではありません。

外から成虫や卵が持ち込まれれば、新築住宅や高層マンションでも被害が出る可能性があります。

建物の新しさより衣類と持ち込み品が関係する

新築でも、古着、毛布、じゅうたん、段ボール、収納家具などと一緒に幼虫が入る場合があります。

クローゼットへ汚れた衣類を長く収納し、床へホコリがたまっていると、幼虫が育つ条件が整います。

高層階でも洗濯物や荷物から入る

高い階でも、エレベーター、共用廊下、荷物、洗濯物などを介して持ち込まれる可能性があります。

「高層階だから衣類害虫はいない」と決めつけず、虫食いや小型の蛾を見つけた際は収納内を確認してください。

イガやコイガを見つけた時の確認場所

成虫や幼虫を見つけたら、その虫だけではなく、周囲の衣類や収納空間を確認します。

特に長期間動かしていない品、天然繊維の衣類、ホコリがたまる場所を重点的に見てください。

衣類の襟・袖口・折り目

幼虫は光を避け、衣類の内側へ隠れます。

襟の裏、袖口、ポケット、裾、折り目、衣類同士が重なる部分を確認します。

クローゼットやタンスの底

収納の底や隅には、繊維くず、髪の毛、ホコリ、フン、抜け殻がたまります。

衣類をすべて出さなければ見えない場所へ、筒状や膜状の巣が付着している場合もあります。

じゅうたんや家具の裏

ウール製のじゅうたん、ソファ、ベッド、タンスの裏側も確認対象です。

表から見えない場所で食害が進み、家具を動かした際に初めて発見される例があります。

古い寝具・ぬいぐるみ・動物標本

羽毛布団、毛布、フェルト製品、ぬいぐるみ、昆虫標本、動物標本なども幼虫の餌になります。

長く開けていない収納箱では、衣類以外の繊維製品も見てください。

見つけた時に避けたい判断

衣類へ穴が開いていても、原因がイガやコイガとは限りません。

虫体や巣を確認せず、薬剤だけを使うと、発生源が残る場合があります。

飛んでいる成虫だけを処理して終わらせない

衣類へ害を与えるのは幼虫です。

成虫を捕まえても、卵、幼虫、巣が収納内へ残っていれば被害は続きます。

すべての虫食いをイガと決めつけない

毛の多い幼虫や丸い甲虫が見つかった場合は、カツオブシムシ類の可能性があります。

ネズミによるかじり、洗濯時の摩擦、金具への引っ掛かり、繊維の劣化でも穴が開きます。

高価な衣類へ薬剤を直接吹き付けない

殺虫剤を衣類へ直接使用すると、変色、輪ジミ、生地の傷みが起きるおそれがあります。

製品表示で対象害虫、使用場所、使える素材を確認してください。

クリーニングが必要な衣類では、取扱表示を確認し、専門店へ相談する方が安心です。

専門業者へ相談したい状態

衣類を数点確認しただけでは発生源が分からず、複数の部屋へ広がっている場合があります。

被害範囲が広い、繰り返し成虫が出る、貴重品へ被害がある場合は、専門業者への相談も選択肢です。

複数の収納場所で成虫や幼虫が出る

寝室、納戸、押し入れ、物置など、離れた場所で同時に見つかる場合は、家全体へ広がっている可能性があります。

衣類以外のじゅうたん、寝具、家具の裏、鳥の巣なども含めた確認が必要です。

発生源が鳥の巣や屋根裏にある

軒下や換気口へ鳥の巣があり、室内へ小型の蛾が出ている場合は、巣が関係しているかもしれません。

高所や屋根裏の作業は転落や粉じん吸入の危険があるため、無理に触らないでください。

着物・毛皮・高級衣類へ被害が出ている

着物、カシミヤ、毛皮、ブランド衣類、古い布製品などは、誤った処理で傷みが広がる場合があります。

害虫駆除業者に加え、衣類の保存や修復に詳しいクリーニング店へ相談する方法もあります。

業者へ依頼する前に料金を確認する

害虫駆除サービスを利用する際は、出張費、見積もり費、薬剤費、追加作業、キャンセル料を確認してください。

国民生活センターは、安価な広告を見て害虫駆除を頼み、作業後に高額な料金を請求された相談例を紹介しています。※参考:国民生活センター「作業後に高額請求する害虫駆除業者に注意」

作業範囲や総額が示されない、契約を急かされる、説明のない追加作業を勧められる場合は、その場で決めずに見積書を確認してください。

よくある質問

イガとコイガは体が小さく、幼虫も衣類へ紛れます。

クローゼットで小型の蛾や虫食いを見つけた際によくある疑問を解説します。

Q1. イガとコイガの違いは何ですか?

A. 成虫の色や大きさ、幼虫が作る巣の形に違いがあります。

イガは灰色の小型蛾で、幼虫は持ち運べる筒状の巣を作ります。コイガは淡い白色や黄褐色で、幼虫は衣類表面へ膜状の巣を作ります。

Q2. 衣類を食べるのは成虫ですか?

A. 衣類を食べるのは幼虫です。

成虫は幼虫の餌になる衣類やホコリの近くへ卵を産みます。小さな蛾を見つけた時は、周囲の衣類へ幼虫や巣がないか確認してください。

Q3. イガの幼虫はどのように見えますか?

A. 淡い色の小さな幼虫で、繊維を使った筒状の巣へ潜んでいます。

服と同色の細長い毛玉が動いているように見える場合があります。

Q4. コイガはイガより小さいのですか?

A. 名前に「コ」が付きますが、成虫はコイガの方が大きく見える場合があります。

イガは体長約4.5mm、コイガは約6〜8mmが目安です。

Q5. 化学繊維の服も食べられますか?

A. 化学繊維そのものは、ウールやシルクほど好まれません。

汗、皮脂、食べこぼしなどが残っていると、汚れと一緒に繊維までかじられる場合があります。

Q6. イガやコイガは人を刺しますか?

A. 人を刺したり吸血したりする虫ではありません。

皮膚へ赤みやかゆみがある場合は、ダニ、ノミ、トコジラミなど別の害虫も疑ってください。

Q7. 新築マンションにも出ますか?

A. 新築や高層階でも見つかる場合があります。

洗濯物、古着、じゅうたん、家具、段ボールなどと一緒に成虫、卵、幼虫が持ち込まれる可能性があります。

Q8. クローゼットで小さな蛾を1匹見たら被害がありますか?

A. 1匹だけで衣類被害があるとは断定できません。

ただし、周囲へ卵や幼虫がいる可能性は残ります。天然繊維の衣類、収納の隅、ホコリ、筒状・膜状の巣を確認してください。

まとめ

イガとコイガは、小型の蛾に分類される代表的な衣類害虫です。

衣類へ穴を開けるのは成虫ではなく幼虫で、ウール、カシミヤ、シルク、毛皮、羽毛、じゅうたんなどを食べます。

綿や化学繊維でも、汗、皮脂、食べこぼしなどが残っている部分は被害対象になる場合があります。

イガは筒状、コイガは膜状の巣を作る

イガの幼虫は、衣類の繊維を使った筒状の巣へ潜み、巣ごと移動します。

コイガの幼虫は、衣類表面へ平たい膜状の巣を固定します。

成虫の色だけでなく、幼虫の巣を見ると両者を見分けやすくなります。

カツオブシムシ類との違いは幼虫の毛と巣

イガとコイガの幼虫は淡い色のイモムシ状で、糸や繊維を使った巣を作ります。

カツオブシムシ類の幼虫は茶色や赤褐色で、全身の毛や尾端の毛束が目立ちます。

虫食い穴だけで断定せず、幼虫、成虫、巣、抜け殻、フンを合わせて確認してください。

小さな蛾を見つけたら衣類以外の繊維製品も確認する

イガとコイガは、衣類だけでなく、じゅうたん、寝具、ぬいぐるみ、羽毛、毛皮、動物標本などへ発生します。

被害が繰り返される、複数の収納場所で見つかる、発生源が分からない場合は、専門業者やクリーニング店へ相談してください👕

“`

タイトルとURLをコピーしました