『アブ』は、川辺、湿地、山林、牧場などで見かける大型の吸血害虫です。
ハエに似た姿をしていますが、種類によっては人や牛、馬などの皮膚を傷つけ、流れ出た血を吸います。
飛ぶ速度が速く、羽音も大きいため、近くを飛び回るだけでも恐怖を感じやすい虫です。黄色と黒の模様を持つ種類は、スズメバチと間違われる場合もあります。
アブが厄介なのは、巣を守るためではなく、吸血を目的として人や動物へ近づく点です。
追い払っても戻ってくる、車の周囲を何度も飛ぶ、川遊び中に足元へまとわりつくなど、しつこく感じる場面も少なくありません🪰
「車を止めたら大きな虫が集まってきた」
「川辺でハチのような虫に咬まれた」
「ブユより大きな虫で、刺された瞬間に痛かった」
という場合は、吸血性のアブが関係している可能性があります。
今回は、アブの特徴、人へ寄ってくる理由、車に集まる背景、代表的な種類、ハチ・ブユ・ハエとの違い、吸血被害が出やすい場所や時期を解説します。
アブはハエの仲間に分類される吸血性昆虫
アブは、ハエ目アブ科に属する昆虫です。
名古屋市衛生研究所では、アブ類を中型から大型の昆虫とし、日本から約100種が記録されていると案内しています。
大部分は吸血性で、主に大型哺乳類を襲います。吸血するのは雌で、産卵へ必要な栄養を得るためと考えられています。※参考:名古屋市「アブ類」
ただし、「アブ」と名前に付く虫がすべて人を吸血するわけではありません。
ハナアブやシオヤアブなど、食性や生態が異なる虫もいます。人や家畜の血を吸う種類として問題になるのは、主にアブ科の吸血性種です。
\ご相談・現地調査 無料!/
アブの基本情報
『アブ』は、丸みのある大きな頭と発達した複眼を持つ昆虫です。
種類によって体長、色、模様が異なり、灰色、黒褐色、黄褐色、黒と黄色の縞模様など、見た目にも幅があります。
アブは大きな複眼を持つ
アブの頭部では、大きな複眼が目立ちます。
複眼が緑色や金色に輝いて見える種類もあり、ウシアブやキンイロアブなどでは、顔まわりの色が見分ける手がかりになります。
触角は蚊のように長くなく、比較的短い形です。
| 確認ポイント | アブの特徴 |
|---|---|
| 分類 | ハエ目アブ科の昆虫 |
| 大きさ | 1cm前後から3cm近い大型種までいる |
| 体の特徴 | 大きな複眼、短い触角、厚みのある体 |
| 吸血する個体 | 主に雌成虫 |
| 主な生息場所 | 川、水田、沼、湿地、山林、牧場 |
| 主な被害 | 吸血時の強い痛み、出血、赤み、腫れ、かゆみ |
吸血するのは主に雌
アブの雌は、卵巣を発育させるための栄養源として血液を利用します。
通常のエネルギー源としては、花の蜜や樹液なども利用します。
雄は人や動物を吸血しません。
雌であっても種類や産卵の回数によっては、吸血せずに産卵する場合があります。
アブの幼虫は湿った環境で育つ
アブの幼虫は、成虫と異なり、細長いウジ虫のような姿をしています。
小川、水田、湖沼、沼地、湿地、湿った土、コケや腐葉土の中などで生活します。
名古屋市では、アブの幼虫を肉食性とし、水辺で小動物を捕食すると解説しています。
家の生ごみや排水口で増えるイエバエ類とは、幼虫の生息環境が違います。
アブが人に寄ってくる理由
吸血性のアブが人へ寄る目的は、雌が血液から産卵に必要な栄養を得るためです。
巣に近づいた人を追い払うハチとは、接近する目的が異なります。
体温を持つ人や動物を探している
アブは、温度を持つ人や動物へ反応します。
牛、馬、人、犬などの周囲を飛び回り、皮膚へ止まって吸血を試みます。
夏の屋外では人の体温と周囲の温度差が分かりにくく見えますが、アブは熱だけでなく、動きや色、呼吸など複数の情報を利用して吸血対象を探していると考えられます。
呼吸で排出される二酸化炭素にも反応する
人や動物は、呼吸によって二酸化炭素を排出します。
アブは二酸化炭素へ反応し、吸血対象へ近づく性質があるとされます。
フマキラーでは、アブが人や牛、馬の呼吸で出る二酸化炭素へ反応し、温度のある対象にも集まると解説しています。
※参考:フマキラー「アブが発生する原因とは?」
川辺で運動している人、キャンプで作業している人、汗をかいている人などは、呼吸量や体温が上がり、アブに見つかりやすくなる場合があります。
黒や青など濃い色へ集まりやすい
アブは、黒や青など、周囲の緑色とコントラストが大きい色へ集まる傾向があります。
黒い服、濃紺の帽子、黒い長靴、暗い色の車などへ近づく場面も見られます。
JRA日高育成牧場では、アブは青や黒など、草の緑との色差が大きい色へ集まる習性があり、暗い毛色の馬は狙われやすい傾向があると説明しています。
※参考:JRA日高育成牧場「アブ」
アブが車に寄ってくる理由
山間部や川辺へ車を止めた際、アブが車体や窓の周囲を何度も飛ぶ場合があります。
特にエンジンを止めた直後や、黒い車、濃い色の車では目立つ場合があります。
温まった車体を動物と間違える場合がある
走行後の車は、エンジン、ボンネット、タイヤ、車体が温まっています。
アブは熱を感知して吸血対象を探すため、温まった車体へ近づく場合があります。
車から降りる人を待つように、ドアや窓の周囲を飛び続ける姿も見られます。
排気ガスや車内の人にも反応する
エンジンの排気ガスには二酸化炭素が含まれます。
車内にいる人の呼吸や体温も、アブを引き寄せる要因になる可能性があります。
車そのものを吸血対象にしているわけではありません。
熱、色、二酸化炭素、車の近くにいる人や動物などが重なり、車の周囲へ集まっていると考えられます。
黒い車は見つけられやすい場合がある
黒や濃紺の車体は、周囲の草木との色差が大きく、日光で熱も持ちやすくなります。
色と温度が重なり、明るい色の車よりアブが目立つ場合があります。
ただし、白い車なら寄ってこないとは限りません。人が乗っている、エンジンが温まっている、水辺の近くへ駐車したなどの条件でも飛来します。
人を吸血する主なアブの種類
日本には多くのアブが生息しています。
人や家畜への吸血被害で知られる代表種として、
・ウシアブ
・アカウシアブ
・イヨシロオビアブ
・シロフアブ
・ゴマフアブ
・キンイロアブ
などが挙げられます。
ウシアブは大型で家畜へ寄りやすい
ウシアブは、体長2cm前後になる大型のアブです。
胸部や腹部は黒褐色に見え、腹部中央に三角形の淡い模様があります。
牛や馬などの家畜へ寄りやすい種類ですが、人を吸血する場合もあります。
成虫は6月~8月頃に目立ち、畜舎や放牧場の近くで見られます。
アカウシアブはスズメバチに似て見える
アカウシアブは、体長25mmを超える大型種です。
黒と淡黄褐色の帯模様があり、飛んでいる姿をスズメバチと間違える場合があります。
日中にも活動し、人や家畜を襲います。
体が大きいため羽音も目立ち、近づいてくると強い恐怖を感じやすい虫です。
イヨシロオビアブは集団で人へ寄る場合がある
イヨシロオビアブは、体長10mm前後の比較的小さなアブです。
胸部は濃い灰色、腹部には白っぽい帯模様があります。
東北や北陸などでは「オロロ」「コシジロ」などの地域名で呼ばれる場合もあります。
山地の渓流沿いに多く、早朝や夕方に活動し、人へ激しく寄る種類です。
キンイロアブやゴマフアブも人を吸血する
キンイロアブは、金色や黄褐色に見える毛を持つ種類です。
ゴマフアブは、羽や体に細かな斑点模様が見られます。
どちらも人や家畜を吸血する場合があり、水辺、山林、湿地の周辺で注意したい種類です。
| 種類 | 主な特徴 | 目立ちやすい場所・時期 |
|---|---|---|
| ウシアブ | 体長2cm前後。黒褐色で腹部に三角斑がある | 畜舎、牧場、水辺。6月から8月頃 |
| アカウシアブ | 25mmを超える大型種。黄色と黒の模様がある | 山林、牧場、湿地。日中にも活動する |
| イヨシロオビアブ | 体長10mm前後。腹部に白い帯模様がある | 山地の渓流。8月から9月頃 |
| シロフアブ | 黒地に灰白色の斑紋がある | 水田、湿地、牧場、山林 |
| キンイロアブ | 黄褐色や金色に見える種類 | 川辺、湿地、森林周辺 |
| ゴマフアブ | 細かな斑点模様が目立つ | 山林、水辺、湿った草地 |
アブとハチの違い
アブとハチは、体の大きさや模様が似て見える場合があります。
ただし、分類、飛び方、人へ近づく目的、皮膚を傷つける方法には大きな違いがあります。
アブはハエの仲間でハチはハチ目の昆虫
アブはハエ目、ハチはハチ目に分類されます。
アブは羽が2枚ですが、ハチは基本的に4枚の羽を持ちます。
飛んでいる最中に羽の枚数を確認するのは難しいため、体型や脚の様子、飛び方も見分ける材料になります。
ハチは毒針で刺しアブは口器で皮膚を傷つける
ハチは腹部の先にある毒針を使います。
アブは鋭い口器で皮膚を切るように傷つけ、にじみ出た血を吸います。
アース製薬では、ハチはおしりの毒針で刺し、アブは鋭い口器で皮膚を切り裂いて流れ出た血を吸うと説明しています。
※参考:アース製薬「夏のレジャーはアブに注意」
人へ近づく目的が違う
スズメバチやアシナガバチは、巣や自身を守る場面で人を刺します。
アブの雌は、産卵へ必要な栄養を得る目的で人や動物へ寄ります。
ハチは刺激せず巣から離れる対応が重視されます。
アブは吸血対象として認識されると、追い払っても再び近づく場合があります。
| 比較 | アブ | ハチ |
|---|---|---|
| 分類 | ハエ目アブ科 | ハチ目 |
| 羽 | 2枚 | 基本的に4枚 |
| 皮膚への攻撃 | 口器で傷つけて吸血する | 腹部の毒針で刺す |
| 人へ寄る主な目的 | 雌が吸血するため | 巣や自身を守るため |
| 飛び方 | 速く、しつこく周囲を飛ぶ場合がある | 種類によって異なるが、脚を下げて飛ぶ姿も見られる |
| 刺された後 | 出血、痛み、赤み、腫れ、かゆみ | 強い痛み、腫れ、毒へのアレルギー反応 |
アブとブユの違い
アブとブユは、どちらも「ハエ目」に属する吸血性昆虫です。
水辺や山間部で被害が出やすく、皮膚を傷つけて血を吸う点も似ています。
アブはブユより大きい
ブユは体長2〜4mmほどの小さな虫です。
アブは1cmを超える種類が多く、2〜3cm近い大型種もいます。
アブは飛んでいる姿や羽音に気づきやすい一方、ブユは小さく、吸血されている最中に気づかない場合があります。
アブは吸血時の痛みを感じやすい
アブは皮膚を切るように傷つけるため、吸血された瞬間に鋭い痛みを感じやすくなります。
ブユでは、吸血中の痛みやかゆみが弱く、半日ほど経過した後に強い腫れやかゆみが出る例があります。
ただし、反応には個人差があります。
ブユは集団で足元を狙う場合が多い
ブユは、渓流沿いで複数匹が足首やすねへ集まり、複数箇所を吸血する場合があります。
アブも複数匹で寄る場合がありますが、体が大きく、1匹ごとの存在感があります。
| 比較 | アブ | ブユ |
|---|---|---|
| 大きさ | 1〜3cm前後の種類が多い | 2〜4mmほど |
| 見た目 | 大型のハエに似る | 小型のハエに似る |
| 吸血時 | 強い痛みに気づきやすい | 吸血中は気づかない場合がある |
| 出血 | 吸血部から血がにじむ場合がある | 中心に小さな出血点が残る場合がある |
| 被害部位 | 脚、腕、背中、頭部など種類により異なる | 足首やすねに集中しやすい |
| 発生環境 | 川、水田、沼、湿地、牧場 | 流れのある渓流周辺 |
アブとハエの違い
アブはハエの仲間ですが、一般家庭で見かけるイエバエやクロバエとは生態が異なります。
吸血の有無や発生場所を見ると、違いが分かりやすくなります。
イエバエは食品や生ごみに集まりやすい
イエバエは、
⇒ 食品、生ごみ、畜舎、堆肥、ゴミ置き場などに集まり、人の血を吸う虫ではありません。
アブは、
⇒ 水辺や湿地で発生し、人や家畜へ寄って血を吸います。
アブは体が厚く目が大きい
アブは、一般的なハエより体が大きく、頭部の複眼も発達しています。
体つきは幅があり、厚みを感じる種類が多くなります。
イエバエのように食卓やゴミ箱へ頻繁に止まる姿より、人や動物の周囲を高速で飛び回る姿が目立ちます。
アブに吸血された時の特徴

アブによる被害では、吸血された瞬間の鋭い痛みが目立ちます。
その後、赤み、腫れ、かゆみ、熱感などが出る場合があります。
吸血された瞬間に痛みを感じやすい
アブは口器で皮膚を切るため、蚊のように気づかないまま吸血される虫ではありません。
チクッとした刺激よりも、噛み切られたような鋭い痛みを感じる人もいます。
吸血部から血がにじみ、衣類に付く場合もあります。
赤み・腫れ・かゆみが出る場合がある
虫刺されによる皮膚反応は、物理的な傷と、唾液成分に対する免疫反応が関係します。
日本皮膚科学会では、アブを吸血する虫の一種として挙げ、虫刺されでは即時型と遅延型のアレルギー反応が見られると解説しています。
※参考:日本皮膚科学会「虫刺されの皮膚症状は?」
刺された直後に赤く腫れる人もいれば、翌日以降にかゆみや腫れが強くなる人もいます。
反応の強さは、体質、過去に刺された回数、吸血された部位などによって変わります。
傷口を掻くと炎症が悪化する場合がある
吸血部は皮膚が傷ついているため、強く掻くと傷が広がります。
爪に付いた細菌が入り、痛み、熱感、膿、赤みの拡大などが生じる場合もあります。
血が出ている場合は、清潔な水で洗い、汚れを落としておくと安心です。
| 症状の例 | 見られやすい状態 |
|---|---|
| 鋭い痛み | 吸血された瞬間に感じやすい |
| 出血 | 皮膚を傷つけるため血がにじむ場合がある |
| 赤み | 傷口の周囲が赤くなる |
| 腫れ | 直後または翌日以降に広がる場合がある |
| かゆみ | 唾液成分への反応で現れる場合がある |
| 化膿 | 掻き壊しや汚れで傷口が悪化した場合に起きる |
アブが発生しやすい場所
アブは、水分の多い環境と深く関係します。
幼虫が小川、水田、沼、湿地などで育つため、成虫による被害も水辺の近くで目立ちます。
川・渓流・湖・沼
川遊び、渓流釣り、キャンプ、カヌーなどでは、アブと接触しやすくなります。
水辺の草木、湿った土、コケ、腐葉土などが幼虫の生息場所になる場合があります。
川の水がきれいでもアブが少ないとは限りません。
水田・湿地・農地
水田、用水路、湿地、ぬかるんだ畑なども、アブの発生環境になります。
農作業中は長時間屋外にいるため、腕、脚、首などを吸血される場合があります。
イヨシロオビアブなど、地域によって農作業中の被害が多い種類もいます。
牧場・畜舎・放牧地
牛や馬は、吸血性アブの主要な対象です。
牧場や畜舎の周辺では、家畜へ集まったアブが作業者を吸血する場合もあります。
ウシアブ、アカウシアブ、シロフアブなどが多い地域では、夏場に多数飛来する可能性があります。
山林やゴルフ場
水辺へ近い山林やゴルフ場でも、アブが見られます。
汗をかいた状態で長時間屋外へいるため、アブへ見つかりやすくなる場合があります。
黒や濃紺の服装、黒い帽子なども、飛来を感じやすくする要因になり得ます。
アブが多くなる時期と時間帯
アブの種類ごとに活動時期は異なります。
全体としては、気温が上がる夏に被害が増えます。
6月から9月に被害が増えやすい
春から活動を始める種類もいますが、人や家畜への被害は6月~9月頃に目立ちます。
夏休みのキャンプ、川遊び、バーベキュー、釣りなどと活動時期が重なります。
ウシアブは6月~8月頃、イヨシロオビアブは8月から9月頃に成虫が目立つなど、種類による差もあります。
早朝や夕方に活発な種類がいる
イヨシロオビアブなどは、早朝や夕方に活動が目立ちます。
朝のテント撤収、夕方の炊事、川辺の散歩などで、急に多数のアブへ囲まれる場合があります。
アカウシアブのように日中も活発に活動する種類もいるため、朝夕以外なら安心とは限りません。
| 時期・時間 | アブの動き |
|---|---|
| 春 | 一部の種類が活動を始める |
| 6月から8月 | ウシアブなど多くの種類が目立つ |
| 8月から9月 | イヨシロオビアブの被害が増える地域がある |
| 早朝 | 種類によって吸血活動が活発になる |
| 日中 | アカウシアブなど活動する種類がいる |
| 夕方 | イヨシロオビアブなどが目立ちやすい |
アブは家の中で発生するのか
吸血性のアブは、一般家庭の室内で増える害虫ではありません。
幼虫は水辺や湿地などで育つため、台所の生ごみ、浴室の排水口、布団や畳が発生源になる可能性は低いでしょう。
室内で見つけたアブは外から入った可能性が高い
窓、玄関、ベランダ、換気口などから成虫が入り込む場合があります。
川辺や山間部に近い住宅では、洗濯物や荷物、車のドアを通じて室内へ入る可能性も考えられます。
室内で1匹だけ見つけた場合は、一時的な侵入と見られます。
何度も出る場合は別の虫も疑う
家の中で大型のハエのような虫を繰り返し見る場合、アブではなく、クロバエ、ニクバエ、ハナアブなどの可能性もあります。
黒い大型バエが何匹も現れる、異臭がある、天井裏や床下から出る場合は、腐敗物や小動物の死骸が関係しているかもしれません。
吸血被害がない場合は、虫の姿や発生場所を改めて確認してください。
アブに吸血された時に確認したい状態
アブに吸血された時は、まず傷口の状態と全身の体調を確認します。
小さな傷に見えても、強い腫れや痛みが続く場合は医療機関への相談が安心です。
傷口を清潔な水で洗う
皮膚から血が出ている場合は、清潔な水で汚れを洗い流します。
川や土に触れた手で傷口を何度も触ると、細菌が入りやすくなります。
強く揉んだり、爪で傷を広げたりしないでください。
赤みや熱感がある場合は冷やす
赤み、熱感、腫れがある場合は、保冷剤を布で包み、短い時間ずつ冷やします。
氷や保冷剤を皮膚へ直接当て続けると、低温やけどを起こすおそれがあります。
冷やしても腫れが広がる場合は、受診を検討してください。
症状が強い場合は皮膚科へ相談する
日本皮膚科学会では、赤みやかゆみが強い虫刺されでは、ステロイド外用薬が必要になる場合があり、症状が強い場合は皮膚科専門医への受診を勧めています。
※参考:日本皮膚科学会「虫刺されの治療はどうすればよいですか?」
虫の写真を撮影できた場合は、受診時に見せると原因を考える材料になります。
医療機関へ相談したい症状
アブによる皮膚反応には個人差があります。
軽い赤みで収まる場合もありますが、傷口の炎症やアレルギー反応が強く出る人もいます。
腫れや痛みが大きく広がっている
刺された場所だけでなく、腕や脚の広い範囲が腫れる、関節を動かしにくい、靴を履けないなどの状態では、皮膚科へ相談してください。
顔、まぶた、口元などが大きく腫れた場合も、早めの受診が安心です。
傷口が化膿している
痛みや熱感が強くなる、膿が出る、赤い範囲が広がる、発熱がある場合は、細菌感染の可能性も考えられます。
掻き壊した後に症状が悪化した場合も、自己判断で放置しないでください。
呼吸困難や全身のじんましんが出た
虫刺され後に息苦しさ、のどの違和感、全身のじんましん、腹痛、吐き気、意識が遠のく感覚などが現れた場合は、救急要請を検討してください。
局所の傷だけではなく、全身へ急に症状が広がった場合は緊急性があります。
| 症状 | 相談の目安 |
|---|---|
| 強い腫れ | 腕や脚の広い範囲へ腫れが広がる |
| 強い痛み | 時間がたっても痛みが弱まらない |
| 化膿 | 膿、熱感、赤みの拡大、発熱がある |
| 顔の腫れ | まぶた、唇、口元が大きく腫れる |
| 全身症状 | 息苦しさ、全身のじんましん、意識の異常がある |
アブを見かけた時に避けたい行動
アブは吸血対象をしつこく追う場合があります。
慌てて大きく手を振り回すと、転倒や周囲との接触につながるため、足場を確認しながら離れてください。
窓を開けたまま車へ逃げ込まない
アブから逃げるために車へ入る際、ドアや窓を長く開けると、虫も一緒に入る場合があります。
乗り込む前に衣類や荷物へ付いていないか確認し、ドアを素早く閉めます。
車内へ入った場合は、運転中に追い払おうとせず、安全な場所へ停車してください。
素手で捕まえようとしない
アブを素手でつかむと、手や指を吸血される場合があります。
大型種は口器も大きく、強い痛みが出ます。
室内や車内へ入った場合は、手で直接触れず、安全に外へ出す方法を選んでください。
アブ被害で相談を検討したい状態
アブは広い範囲を飛び、水辺や湿地から発生します。
家庭の敷地だけで発生源をなくすのが難しい虫です。
施設やキャンプ場で多数発生している
キャンプ場、宿泊施設、牧場、ゴルフ場、公園などで多くの利用者が吸血されている場合は、施設管理者へ状況を伝えてください。
発生した時間帯、場所、虫の大きさ、被害人数などを共有すると、状況の確認に役立ちます。
自宅周辺で繰り返し吸血される
水田、湿地、河川、牧場が近く、庭へ出るたびにアブが寄る場合は、自治体の生活衛生担当や専門業者へ相談できる場合があります。
ただし、アブは長い距離を飛ぶため、発生源を特定できない場合もあります。
業者へ依頼する際は料金を確認する
害虫駆除を依頼する場合は、作業前に料金と内容を確認してください。
国民生活センターは、害虫・害獣駆除サービスで、広告の安い料金を見て依頼した後に高額請求された相談があるとして注意を呼びかけています。
※参考:国民生活センター「作業後に高額請求する害虫駆除業者に注意」
出張費、見積もり費、作業範囲、使用する薬剤、追加料金、キャンセル料を確認してから判断しましょう。
よくある質問

アブはハチや大型のハエと姿が似ており、吸血方法も蚊やブユとは異なります。
川遊びやキャンプで見かけた際によくある疑問を解説します。
Q1. アブは刺す虫ですか?
A. 一般には「アブに刺された」と表現されますが、実際には鋭い口器で皮膚を切るように傷つけ、流れ出た血を吸います。
ハチのような毒針で刺す虫ではありません。
Q2. アブはなぜ人を追いかけるのですか?
A. 吸血性の雌が、産卵へ必要な栄養を得るためです。
体温、呼吸で出る二酸化炭素、動き、色などを手がかりとして、人や動物へ近づくと考えられます。
Q3. アブはなぜ車に集まりますか?
A. 温まった車体、排気ガス、濃い車体色、車内や周囲にいる人の体温や呼吸などが関係すると考えられます。
特に走行直後の車や黒い車では、集まる姿が目立つ場合があります。
Q4. アブとスズメバチはどう見分けますか?
A. アブはハエに近い大きな複眼を持ち、脚を折り曲げて速く飛ぶ傾向があります。
スズメバチは細い腰と長い触角が目立ち、腹部の先に毒針があります。遠くから無理に見分けず、どちらであっても近づかない方が安全です。
Q5. アブとブユは同じ虫ですか?
A. 別の虫です。
どちらもハエ目の吸血性昆虫ですが、アブは1cm以上の種類が多く、ブユは2〜4mmほどです。アブは吸血時に強い痛みを感じやすく、ブユは後から腫れやかゆみが強まる場合があります。
Q6. アブは家の中で繁殖しますか?
A. 一般家庭の室内で増える害虫ではありません。
幼虫は小川、水田、沼、湿地などで育ちます。室内で見つけた場合は、外から入った成虫の可能性が高いでしょう。
Q7. アブに吸血されたら何科へ行きますか?
A. 赤み、腫れ、かゆみ、痛みなどの皮膚症状が強い場合は、皮膚科が相談先になります。
呼吸困難や全身のじんましんなどが出た場合は、救急要請を検討してください。
まとめ
アブは、ハエ目アブ科に属する中型から大型の昆虫です。
吸血性の種類では、主に雌が産卵へ必要な栄養を得るため、人や牛、馬などの血を吸います。
皮膚へ毒針を刺すハチとは異なり、鋭い口器で皮膚を切るように傷つけ、流れ出た血を吸うのが特徴です。
アブの正体は「水辺に多い大型の吸血性ハエ」
アブの幼虫は、小川、水田、湖沼、沼地、湿地などで生活します。
そのため、川遊び、キャンプ、釣り、農作業、牧場、山林などで吸血被害が出やすくなります。
代表的な種類には、ウシアブ、アカウシアブ、イヨシロオビアブ、シロフアブ、ゴマフアブ、キンイロアブなどがいます。
人や車へ寄る背景には熱・色・二酸化炭素がある
アブは、人や動物の体温、呼吸で出る二酸化炭素、動き、濃い色などを手がかりとして吸血対象を探します。
走行後の車へ集まる場合は、温まった車体、排気ガス、黒や濃紺の色、周囲にいる人などが関係している可能性があります。
吸血された瞬間の強い痛みと出血が見分ける手がかり
アブは体が大きく、吸血された瞬間に鋭い痛みを感じやすい虫です。
傷口から血がにじみ、その後に赤み、腫れ、かゆみが出る場合があります。
腫れが広がる、痛みが続く、膿や発熱がある、全身へ症状が出る場合は、医療機関へ相談してください🪰
\ご相談・現地調査 無料!/

