春から初夏にかけて、背中へ青色と赤色の点が並ぶ大きな毛虫を見かけたら、マイマイガの幼虫かもしれません。
マイマイガは、北海道から九州まで広く分布する蛾の仲間です。
幼虫はさまざまな樹木や草の葉を食べ、発生数が多い年には森林、公園、果樹、農作物へ広い被害を与えます。
夏になると成虫が街灯や建物の照明へ集まり、電柱、外壁、軒下、看板、物置などへ褐色の卵塊を産み付けます。
一つの卵塊には数百個の卵が含まれる場合があり、そのまま冬を越して翌春に多数の幼虫がふ化します。
マイマイガは毎年同じ数が出るわけではありません。地域によっては約10年の間隔で大発生し、数年間にわたって幼虫や成虫が目立つ場合があります。
幼虫の毛による人体への影響は、成長段階や個人の体質によって異なります。
特にふ化したばかりの幼虫は小さな毛を持ち、風に乗って飛ぶため、直接触れていない人にも皮膚や目、鼻の症状が出る可能性があります。
大きく成長した幼虫でも、体毛による物理的な刺激やかぶれが出る人がいるため、素手で触れない方が安心です🐛
今回は、マイマイガの幼虫・成虫・卵塊の特徴、青と赤の点が並ぶ理由、ブランコ毛虫と呼ばれる生態、発生時期、大量発生の周期、樹木や人体への影響を解説します。
マイマイガは幅広い植物を食べるドクガ科の蛾
マイマイガは、チョウ目ドクガ科に分類される昆虫です。
「ドクガ科」という分類名ですが、チャドクガと同じ強い毒針毛をすべての成長段階で持つわけではありません。
人体への影響は、ふ化直後の幼虫に特に注意が必要とされ、成長した幼虫でも体毛の刺激によって痛みやかぶれが出る人がいます。
林野庁東北森林管理局では、マイマイガが針葉樹、広葉樹、草本類など、ほとんどの植物の葉を食べ、時として大量発生すると案内しています。
幼虫の発生数が少ない年は、森林や公園の中で見かける程度です。
大発生期には街路樹、庭木、建物の壁、道路、遊具などへ多数の幼虫が広がり、生活環境にも影響を与えます。
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マイマイガの基本情報
マイマイガは、卵、幼虫、さなぎ、成虫へ姿を変える完全変態の昆虫です。
一般的には年1回発生し、卵塊の状態で冬を越します。
幼虫は最大7cmほどまで成長する
ふ化した直後の幼虫は、体長5mmほどです。
淡い茶色や黒色に見え、成長した幼虫とは姿が大きく異なります。
脱皮を繰り返すと体長は2〜3cmになり、最終的には6〜7cmほどまで成長します。
頭部はオレンジ色や黄褐色で、黒い八の字に見える模様が現れます。
| 確認項目 | マイマイガの特徴 |
|---|---|
| 分類 | チョウ目ドクガ科 |
| 幼虫の大きさ | ふ化直後は約5mm、成長すると最大6〜7cmほど |
| 幼虫の特徴 | 背中へ青色と赤色の突起が2列に並ぶ |
| 成虫の特徴 | 雄は灰褐色、雌は淡い黄白色や灰白色 |
| 越冬状態 | 褐色の毛で覆われた卵塊 |
| 主な発生時期 | 幼虫は春から初夏、成虫は7〜8月頃 |
| 主な被害 | 樹木の食害、農作物被害、幼虫や成虫の大量発生 |
背中の青い点と赤い点が見分ける手がかり
成長したマイマイガ幼虫では、背中に丸い突起が2列に並びます。
頭に近い前方の突起は青色で、中央から後方へ続く突起は赤色です。
体全体には茶色、灰色、黒色などの細かな模様があり、長い毛も生えています。
札幌市の資料では、6月下旬から7月中旬頃の幼虫について、前方に青いこぶ、中央と後方に赤いこぶが2列に並び、体長は最大7cmほどになると解説しています。
青と赤の突起は、遠くからでも比較的確認しやすい特徴です。
ただし、幼虫が小さい時期には色がはっきりせず、黒色や茶褐色の毛虫に見える場合があります。
体色には個体差がある
マイマイガ幼虫の体色は、すべて同じではありません。
灰色、茶色、黄褐色、黒褐色など、個体によって濃淡や模様が変わります。
体色だけで断定せず、頭部の模様、背中の青と赤の突起、発生時期、付いている樹木を合わせて見てください。
マイマイガの名前の由来
マイマイガは漢字で「舞舞蛾」と書きます。
雄成虫が日中に活発に飛び回り、舞うように見える姿が名前の由来とされています。
雄成虫が木や人の周りを飛び回る
マイマイガの雄は、雌が放出するにおいを探しながら飛びます。
木の幹、建物、道路、人の周囲などを素早く飛び回り、方向を頻繁に変えます。
同じ場所をくるくると舞うように見えるため、舞舞蛾という名前が付いたと考えられています。
カタツムリとは関係がない
「マイマイ」という言葉は、カタツムリの呼び名としても使われます。
しかし、マイマイガはカタツムリと関係する虫ではありません。
雄成虫の飛び方を表す名称です。
マイマイガの幼虫がブランコ毛虫と呼ばれる理由
マイマイガのふ化幼虫は、「ブランコ毛虫」と呼ばれる場合があります。
幼虫が糸を吐き、木の枝からぶら下がる姿がブランコに似ているためです。
ふ化幼虫は糸を出して枝からぶら下がる
春に卵から出た幼虫は、卵塊の周辺で数日間まとまって過ごします。
その後、樹木の高い場所へ移動し、口から細い糸を出して空中へぶら下がります。
幼虫は体重が軽いため、糸と一緒に風へ運ばれます。
風に乗って広い範囲へ移動する
ふ化幼虫は、自分で長い距離を歩かなくても、風を利用して別の樹木へ移動できます。
発生した木から離れた住宅、ベランダ、洗濯物、車、遊具などへ小さな幼虫が付く場合もあります。
風が強い日には、窓や網戸の近くまで飛んでくる可能性があります。
東神楽町では、ふ化した幼虫へ直接触れなくても、風に乗って飛んだ毛、幼虫の糸、脱皮殻への接触で、皮膚や目、鼻などへ症状が出る場合があると案内しています。
※参考:東神楽町「マイマイガについて」
| ふ化幼虫の行動 | 見られる状態 |
|---|---|
| 卵塊の周辺に集まる | 小さな黒い幼虫が褐色の卵塊へ密集する |
| 高い場所へ移動する | 木の幹、枝、壁面などを上へ歩く |
| 糸でぶら下がる | 枝先から小さな幼虫が空中へ下がる |
| 風へ乗る | 糸と幼虫が別の樹木や建物へ飛ばされる |
| 周囲へ広がる | 洗濯物、網戸、車、遊具などへ付着する |
マイマイガの卵塊の特徴
マイマイガは、一粒ずつ卵を産むのではなく、数百個をまとめた卵塊を作ります。
卵塊は雌成虫の腹部にある褐色の毛で覆われるため、スポンジ、フェルト、泥の塊のように見えます。
褐色や黄土色の楕円形をしている
マイマイガの卵塊は、淡い茶色、黄土色、灰褐色などに見えます。
形は丸形、楕円形、細長い形など一定ではありません。
大きさは3〜5cmほどが目安ですが、産卵数や場所によって差があります。
表面は細かな毛で覆われている
雌成虫は産卵後、腹部の毛を卵へかぶせます。
卵塊の表面はフェルトや毛玉のようになり、内部の卵が見えにくくなります。
表面の毛や卵の細かな破片が舞う可能性があるため、除去する際はマスク、手袋、保護眼鏡などを使用した方が安心です。
一つの卵塊から数百匹がふ化する場合がある
卵塊に含まれる卵の数は一定ではありません。
林野庁東北森林管理局では、一つの卵塊へ100〜300個ほどの卵が産み付けられるとしています。
自治体の資料では、300〜500個前後と案内される場合もあります。
外壁へ卵塊が複数付いている場合、翌春に多数の幼虫が現れる可能性があります。
卵塊が建物の壁や電柱へ付く理由
大発生期には、樹木だけでなく、住宅の外壁や人工物へ卵塊が多数付く場合があります。
成虫が照明へ引き寄せられ、周囲の垂直面へ止まって産卵するためです。
成虫は夜間の照明へ集まる
マイマイガの成虫は、夏の夜に照明へ飛来します。
街灯、店舗照明、工場照明、自動販売機、玄関灯、駐車場灯などの周囲で多数見つかる場合があります。
照明へ集まった雌成虫は、近くの壁や柱へ卵を産みます。
白っぽい壁面へ卵塊が目立ちやすい
マイマイガは、照明の近くにある壁、電柱、看板、塀、物置などへ産卵します。
白や淡い色の外壁では、褐色の卵塊が目立ちます。
富士吉田市は、マイマイガの成虫が照明や白っぽい外壁へ集まり、その周辺へ卵塊を産み付ける傾向があると案内しています。
樹木以外の場所でも越冬できる
卵塊は寒さに耐え、そのまま冬を越します。
外壁、軒下、雨戸、エアコン室外機、屋外家具、木材、車庫、コンテナなどでも、翌春まで残る場合があります。
船や車両、資材などへ付いた卵塊が別の地域へ運ばれる場合もあります。
| 卵塊が見つかりやすい場所 | 確認したい部分 |
|---|---|
| 住宅の外壁 | 照明の周辺、軒下、窓枠、壁の凹凸 |
| 電柱・街灯 | 灯具の下、柱の側面、配線設備の陰 |
| 物置・倉庫 | 扉、屋根の下、壁面、資材のすき間 |
| 看板・自動販売機 | 照明部分の周囲、裏側、脚部 |
| 樹木 | 幹、太い枝、樹皮のくぼみ |
| 屋外の荷物 | 木材、パレット、コンテナ、車両の陰 |
雄成虫と雌成虫の違い
マイマイガの雄と雌は、同じ種類とは思えないほど見た目や動きが異なります。
雄は小さく灰褐色で活発に飛ぶ
雄成虫は、羽を閉じた状態で2〜3cmほどです。
羽は灰色から茶褐色で、波のような線が見られます。
触角は羽毛状に広がり、雌のにおいを感じ取りながら日中も活発に飛び回ります。
雌は大きく淡い色をしている
雌成虫は雄より大きく、羽を閉じた状態で4〜5cmほどです。
体は白色、淡い黄白色、淡い灰色などに見えます。
腹部が太く、産卵前は特にずんぐりした姿になります。
日本の雌は飛べるが動きは雄より鈍い
日本などに分布するアジア型のマイマイガでは、雌成虫も飛ぶ能力を持ちます。
ただし、雄ほど活発に舞い続けるわけではなく、壁や木の幹へ止まっている時間が長くなります。
交尾後は、壁面や樹木へ移動して卵塊を作ります。
| 比較項目 | 雄成虫 | 雌成虫 |
|---|---|---|
| 大きさ | 羽を閉じて2〜3cmほど | 羽を閉じて4〜5cmほど |
| 羽の色 | 灰色から茶褐色 | 淡い黄白色から灰白色 |
| 体形 | 比較的細い | 腹部が太く大きい |
| 飛び方 | 日中も活発に飛び回る | 雄より動きが鈍く、止まっている時間が長い |
| 主な行動 | 雌を探して飛ぶ | 交尾後に卵塊を作る |
マイマイガの発生時期
マイマイガは、季節によって卵、幼虫、さなぎ、成虫の姿が変わります。
地域や気温によって前後しますが、一般的な流れを知ると発生段階を判断しやすくなります。
4月末~5月頃に幼虫がふ化する
冬を越した卵塊から、樹木の芽吹きに合わせて幼虫が出てきます。
寒冷地では5月上旬~中旬、暖かい地域では4月頃からふ化する場合があります。
暖房設備の近くへ産み付けられた卵塊では、冬の間にふ化する可能性もあります。
5月~7月頃に葉を食べて成長する
幼虫は春~初夏にかけて葉を食べ、脱皮を繰り返します。
若い幼虫は昼間も葉の上で見つかりますが、成長すると日中は幹のくぼみや太い枝の下へ隠れ、夜に葉を食べる場合があります。
7月頃にさなぎになる
十分に成長した幼虫は、木の幹、枝、建物のすき間、物陰などへ移動します。
周囲へ粗い糸を張り、黒褐色のさなぎになります。
7月下旬~8月頃に成虫が現れる
成虫は夏に羽化し、夜間の照明へ集まります。
成虫の寿命は長くなく、交尾と産卵を終えると死にます。
夏~翌春まで卵塊で過ごす
雌が産んだ卵は、そのまま秋と冬を越します。
卵塊は数か月間、建物の壁や樹木へ付着し、翌春にふ化します。
| 時期 | 主な状態 |
|---|---|
| 8月頃から翌春 | 卵塊の状態で越冬する |
| 4月末から5月頃 | 幼虫がふ化して風へ乗り分散する |
| 5月から7月頃 | 幼虫が植物の葉を食べて成長する |
| 7月頃 | 物陰や樹木でさなぎになる |
| 7月下旬から8月頃 | 成虫が羽化し、照明へ集まる |
| 8月頃 | 雌が外壁や樹木へ卵塊を作る |
マイマイガが食べる植物
マイマイガ幼虫は、食べられる植物の範囲が広い害虫です。
大発生時には100種類を超える植物で食害が記録されています。
カラマツ
カラマツは、マイマイガの被害が目立つ樹木です。
幼虫が大量に発生すると、広い範囲の葉が食べられ、林全体が茶色く見える場合があります。
若い苗木では、繰り返し葉を失うと生育へ大きな影響が出ます。
ナラ・カシワ・ミズナラ
ナラ類、カシワ、ミズナラなどの落葉広葉樹も好んで食べます。
公園、雑木林、山林、住宅地の周辺で幼虫が見つかる場合があります。
シラカバ・ヤナギ・ハンノキ
シラカバ、ヤナギ、ハンノキなども主な食樹です。
北海道や東北などでは、街路樹や公園樹へ多数の幼虫が付く場合があります。
リンゴなどの果樹
リンゴをはじめ、ウメ、モモ、ナシなどの果樹へ食害が出る場合があります。
庭の果樹や果樹園では、葉の減少だけでなく、作業者が幼虫へ接触する問題もあります。
農作物や針葉樹へ広がる場合もある
好む落葉樹の葉を食べ尽くすと、幼虫は別の植物へ移動します。
大発生時には、トウモロコシ、小麦、イネなどの農作物や、普段は食べにくい針葉樹へ被害が広がる場合があります。
| 植物の種類 | 代表例 |
|---|---|
| 落葉針葉樹 | カラマツ |
| 落葉広葉樹 | ナラ、カシワ、ミズナラ、シラカバ、ヤナギ、ハンノキ |
| 果樹 | リンゴ、ナシ、ウメ、モモなど |
| 農作物 | トウモロコシ、小麦、イネなど |
| 常緑針葉樹 | 大発生時にトドマツやトウヒ類へ及ぶ場合がある |
マイマイガによる樹木被害

マイマイガの主な被害は、幼虫による葉の食害です。
幼虫が少ない場合は、一部の葉へ穴が開く程度で終わります。
大量発生時には、樹木全体の葉が失われる場合があります。
葉の縁や表面を食べる
若い幼虫は、葉の表面を削るように食べます。
成長すると食べる量が増え、葉の縁から大きく欠けた跡を残します。
樹木を丸坊主にする場合がある
一本の樹木へ多数の幼虫が付くと、葉脈や葉柄だけを残すほど葉を食べる場合があります。
葉を失った樹木は一時的に見た目が悪くなり、光合成量も減ります。
健康な落葉樹は再び葉を出す場合がある
健康な成木では、一度葉を食べられても、新しい葉を出して回復する場合があります。
ただし、若木、苗木、弱っている木、複数年にわたり食害を受けた木では、枯死や生育不良の可能性が高まります。
農作物へ被害が広がる場合がある
森林の葉を食べ尽くした幼虫が、畑や果樹園へ移動する場合があります。
農作物の葉が大量に失われると、収量や品質へ影響する可能性があります。
マイマイガの大量発生

マイマイガは、普段から一定数が生息しています。
数年~十数年に一度、個体数が急激に増え、広い地域で大量発生する場合があります。
約10年の間隔で大発生する場合がある
大量発生の周期は地域や気象条件によって異なります。
自治体の資料では、約10年の間隔で大発生を繰り返すと案内される例が多くあります。
大発生は2〜3年続く場合がある
大量発生は、一年だけで終わるとは限りません。
喜多方市の資料では、約10年の間隔で大発生を繰り返し、通常は2〜3年間継続すると解説しています。
※参考:喜多方市「マイマイガQ&A」
地域によっては4年ほど目立った例もあります。
前年に成虫が多く、建物の壁へ卵塊が多数付いている場合は、翌春も幼虫が増える可能性があります。
天敵や病気によって発生が収まる
マイマイガの幼虫には、鳥、寄生バエ、寄生バチなどの天敵がいます。
幼虫の密度が高まると、ウイルス病や昆虫へ感染する菌が広がり、大量発生が終息する場合があります。
広い森林へ無計画に薬剤を散布すると、マイマイガの天敵まで減らすおそれがあります。
| 大量発生時に目立つ状態 | 主な内容 |
|---|---|
| 樹木の食害 | 山林や街路樹の葉が広範囲で失われる |
| 幼虫の移動 | 道路、外壁、公園、農地へ多数の毛虫が広がる |
| 成虫の飛来 | 夏の夜に街灯や店舗照明へ大量の蛾が集まる |
| 卵塊の増加 | 外壁、電柱、看板、物置などへ褐色の塊が付く |
| 生活上の不快感 | 虫体、フン、死骸、鱗粉などが周辺へたまる |
マイマイガ幼虫による人体への影響
マイマイガの幼虫による人体への影響は、資料によって表現が異なります。
安全を優先するなら、ふ化直後だけでなく、成長した幼虫も素手で触らない方がよいでしょう。
ふ化直後の幼虫は特に注意が必要
卵から出たばかりの幼虫は、体長5mmほどです。
小さな毛があり、風に乗って広い範囲へ飛びます。
毛、糸、脱皮殻へ触れると、かゆみ、発疹、目の違和感、くしゃみなどが出る可能性があります。
成長した幼虫でもかぶれる人がいる
札幌市や喜多方市の資料では、ふ化幼虫への注意が中心となっています。
一方、2026年に大量発生が確認された北海道大樹町では、成長した幼虫や毛への接触でも皮膚炎のおそれがあるとして注意を呼びかけています。
毛の毒性だけでなく、硬い毛が皮膚へ刺さる物理的な刺激や、体質によるアレルギー反応も考えられます。
成長段階を見分けて触るのではなく、すべての幼虫へ直接触れない対応が安全です。
成虫の鱗粉で発疹が出る場合もある
成虫の羽や体には細かな鱗粉や毛があります。
大量の成虫を手で払う、死骸を素手で集める、乾いた虫体をほうきで掃くなどの行為で、肌へ刺激を受ける人もいます。
皮膚へ付いた時はこすらない
幼虫や毛へ触れた可能性がある時は、患部を手やタオルで強くこすらないでください。
粘着テープを軽く当てて毛を除き、流水でやさしく洗います。
かゆみ、赤み、腫れが強い、目や呼吸器へ症状がある場合は、医療機関へ相談してください。
マイマイガとチャドクガの違い
マイマイガとチャドクガは、どちらもドクガ科の蛾です。
しかし、幼虫の見た目、発生する樹木、人体への影響には違いがあります。
マイマイガは青と赤の突起が並ぶ
成長したマイマイガ幼虫では、頭に近い部分へ青い突起、その後ろへ赤い突起が2列に並びます。
体長は最大6〜7cmほどになり、チャドクガより大型です。
チャドクガは黄褐色でツバキ科へ集まる
チャドクガ幼虫は黄褐色で、黒い模様や白い毛が目立ちます。
主にツバキ、サザンカ、チャなどのツバキ科植物へ発生します。
チャドクガは微細な毒針毛を多数持つ
チャドクガは幼虫の全期間で微細な毒針毛を持ち、直接触れていない人にも強い皮膚炎を起こす場合があります。
マイマイガは、ふ化直後の幼虫や体毛による刺激へ注意が必要ですが、チャドクガと同じ性質ではありません。
| 比較項目 | マイマイガ | チャドクガ |
|---|---|---|
| 幼虫の大きさ | 最大6〜7cmほど | 2.5cm前後 |
| 幼虫の特徴 | 背中に青色と赤色の突起が並ぶ | 黄褐色で黒い模様と白い毛がある |
| 主な食樹 | カラマツ、ナラ、ヤナギ、果樹など幅広い | ツバキ、サザンカ、チャなど |
| 人体への影響 | ふ化幼虫や体毛による刺激、かぶれへ注意 | 微細な毒針毛で強いかゆみや皮膚炎が出る |
| 卵塊 | 褐色の毛で覆われ、外壁や電柱にも付く | 黄色い毛で覆われ、主に葉裏へ付く |
マイマイガと似た毛虫
背中へ突起や長い毛を持つ毛虫は、マイマイガだけではありません。
カシワマイマイ、ドクガ、アメリカシロヒトリ、モンクロシャチホコなどと間違われる場合があります。
カシワマイマイ
カシワマイマイは、マイマイガと同じドクガ科の近縁種です。
カシワ、ナラ、クヌギなどへ付き、体へ毛や突起があります。
青色と赤色の突起の並び方や、頭部の模様などを細かく確認しなければ見分けにくい場合があります。
アメリカシロヒトリ
アメリカシロヒトリの幼虫は、淡黄色から灰黒色で、白や灰色の毛を持ちます。
若い幼虫が枝や葉を大きな白い巣網で包む点が特徴です。
マイマイガは、アメリカシロヒトリのような大きな袋状の巣網を作りません。
モンクロシャチホコ
モンクロシャチホコの幼虫は、成長すると紫黒色の体へ黄白色の長い毛が生えます。
サクラやウメなどへ集団発生し、成熟すると5cmほどになります。
背中へ青色と赤色の突起は並びません。
ドクガ
ドクガ幼虫は、黒色や橙色の模様を持ち、微細な毒針毛を備えています。
風で飛んだ毒針毛でも皮膚炎が起きるため、種類が分からない毛虫へ近づくのは避けてください。
| 種類 | 主な特徴 |
|---|---|
| マイマイガ | 大型で、背中へ青色と赤色の突起が2列に並ぶ |
| カシワマイマイ | マイマイガに似るが、突起や頭部の模様が異なる |
| アメリカシロヒトリ | 白や灰色の毛を持ち、大きな白い巣網を作る |
| モンクロシャチホコ | 黒紫色の体へ黄白色の長い毛が生える |
| チャドクガ | 黄褐色でツバキ科植物へ集まり、毒針毛を持つ |
| ドクガ | 黒や橙色の模様があり、毒針毛で皮膚炎を起こす |
家の周辺でマイマイガを見つける場所
大量発生期には、森林や樹木だけでなく、住宅や商業施設の周辺でも見つかります。
庭木や街路樹
ナラ、ヤナギ、シラカバ、果樹などへ幼虫が付きます。
葉が不規則に食べられている、幹へ大型の毛虫が止まっている場合は、マイマイガが候補です。
建物の外壁
幼虫は日中、外壁の凹凸、窓枠、軒下、雨戸などへ止まる場合があります。
夏には成虫と卵塊も外壁へ現れます。
玄関灯・街灯・店舗照明
成虫の発生期には、夜間の照明へ多数の蛾が集まります。
朝になると、照明の下へ成虫の死骸や鱗粉がたまっている場合があります。
洗濯物・ベランダ
ふ化幼虫が風へ乗り、屋外へ干した衣類やタオルへ付く可能性があります。
成虫も夜間の照明へ誘引され、ベランダや網戸へ止まります。
車や屋外設備
車体、タイヤ、看板、エアコン室外機、物置などへ幼虫や卵塊が付く場合があります。
長期間移動していない屋外設備では、壁面や裏側も確認したいところです。
マイマイガを見つけた時に避けたい行動
マイマイガを見つけた際には以下の行動は避けてください。
- 幼虫を素手でつかまない
- 幼虫をたたき潰さない
- 卵塊を水だけで流さない
- 卵塊を強くこすらない
- 高い場所で無理に作業しない
1. 幼虫を素手でつかまない
幼虫の毛によって、痛み、かゆみ、赤みが出る可能性があります。
特に小さな子どもや皮膚の弱い人は、毛虫へ近づかないようにしてください。
2. 幼虫をたたき潰さない
壁や地面の幼虫を手や靴で潰すと、体毛や体液が周囲へ付着します。
乾いた死骸や脱皮殻も、手で直接集めない方が安心です。
3. 卵塊を水だけで流さない
卵塊をホースの水で落としただけでは、地面に落ちた卵から幼虫がふ化する可能性があります。
壁から除いた卵塊は袋へ入れ、自治体の分別方法に従って処分してください。
4. 卵塊を強くこすらない
硬いブラシや高圧洗浄機で卵塊をこすると、毛や卵の破片が飛び散ります。
外壁を傷つけるおそれもあるため、先が平らなヘラなどで静かに削り取ります。
5. 高い場所で無理に作業しない
脚立やはしごを使って外壁や樹木の卵塊を除去する作業には、転落の危険があります。
電線や道路に近い場所、高い外壁、急な斜面では、無理に自力で対応しないでください。
卵塊を見つけた時の注意点
卵塊は、翌春の幼虫発生源です。
幼虫がふ化する前の秋から早春に確認すると、周辺へ広がる個体数を減らしやすくなります。
手袋・マスク・保護眼鏡を着用する
卵塊の表面には細かな毛があります。
作業時は、手袋、マスク、保護眼鏡、長袖などを使用し、皮膚や目への付着を減らします。
平らなヘラで静かに削り取る
壁面の卵塊は、先が平らなヘラや、角形ペットボトルを加工した道具で削り取る方法が自治体から案内されています。
白馬村では、壁へ付いた卵塊を平らなヘラなどで除去し、可燃ごみとして処理する方法を紹介しています。
※参考:白馬村「マイマイガの卵塊駆除にご協力をお願いします」
削り取った卵塊を袋へ入れる
落とした卵塊を地面へ放置すると、春にふ化する可能性があります。
袋や容器で受けながら削り取り、密閉して自治体のごみ分別に従います。
外壁の素材を確認する
塗り壁、木材、柔らかい外装材などでは、ヘラによって表面が傷付く場合があります。
無理にこすらず、建物の施工会社や管理者へ相談する方法もあります。
幼虫や毛へ触れた時の対応
マイマイガ幼虫へ触れ、痛みやかゆみを感じた時は、毛を皮膚へ広げないよう以下の対応をしましょう。
- 患部をこすらない
- 粘着テープで毛を除く
- 流水でやさしく洗う
- 症状が強ければ医療機関へ相談する
1. 患部をこすらない
手やタオルでこすると、残った毛が皮膚へ深く刺さったり、周囲へ広がったりする可能性があります。
2. 粘着テープで毛を除く
粘着テープを患部へ軽く当て、ゆっくり剥がします。
同じ粘着面を繰り返し使わず、表面を替えながら扱ってください。
3. 流水でやさしく洗う
毛を除いた後は、皮膚をこすらず流水で洗い流します。
衣類へ幼虫や毛が付いた可能性がある場合は、室内で強く振らず、ほかの洗濯物と分けて扱った方が安心です。
4. 症状が強ければ医療機関へ相談する
赤み、強いかゆみ、腫れ、痛みが続く場合は皮膚科へ相談してください。
目へ毛が入った疑いがある、目のかゆみや痛みがある場合は眼科が相談先になります。
息苦しさ、全身のじんましん、吐き気、意識の異常などが現れた場合は、速やかな受診や救急要請を検討してください。
| 症状 | 相談の目安 |
|---|---|
| 赤み・かゆみ | 範囲が広い、時間とともに強くなる |
| 強い痛み | 洗浄後も痛みが続く |
| 目の症状 | 異物感、充血、涙、痛み、かゆみがある |
| 鼻や喉の症状 | くしゃみ、鼻炎、喉の違和感が続く |
| 全身症状 | 息苦しさ、全身の発疹、吐き気、意識の異常がある |
専門業者や管理者へ相談したい状態
マイマイガは発生範囲が広く、大量発生時には個人宅だけで対応できない場合があります。
以下のような状態になっている場合は専門業者や管理者へ相談しましょう。
- 外壁や屋根へ卵塊が多数付いている
- 庭木へ多数の幼虫がいる
- 公園や街路樹へ発生している
- 集合住宅の共用部へ発生している
1. 外壁や屋根へ卵塊が多数付いている
手が届かない高さ、屋根の下、2階以上の外壁などへ多数の卵塊がある場合は、高所作業になります。
転落や外壁の破損を防ぐため、建物管理会社や専門業者へ相談してください。
2. 庭木へ多数の幼虫がいる
複数の樹木へ幼虫が広がり、葉が大きく食べられている場合は、造園業者や樹木害虫に対応する業者への相談も選択肢です。
3. 公園や街路樹へ発生している
公園、街路樹、学校、公共施設の樹木は、自治体や施設管理者が管理しています。
個人で枝を切ったり、薬剤を散布したりせず、発生場所を管理者へ伝えてください。
4. 集合住宅の共用部へ発生している
マンションの外壁、廊下、駐車場、共用照明へ成虫や卵塊が多数付いている場合は、管理会社や管理組合へ相談します。
業者へ依頼する前に料金を確認する
害虫駆除や卵塊除去を依頼する際は、出張費、見積もり費、高所作業費、薬剤費、清掃費、追加料金を事前に確認してください。
国民生活センターは、安価な広告を見て害虫駆除を依頼し、作業後に高額請求を受けた相談例を紹介しています。
※参考:国民生活センター「作業後に高額請求する害虫駆除業者に注意」
作業前に総額を示さない、説明のない追加作業を始める、契約を急かす業者には注意してください。
よくある質問

マイマイガは、幼虫と成虫の姿が大きく違い、卵塊も人工物へ付くため、正体が分かりにくい害虫です。
Q1. 背中に青と赤の点がある毛虫はマイマイガですか?
A. マイマイガの可能性があります。
成長した幼虫は、背中の前方へ青い突起、中央から後方へ赤い突起が2列に並びます。頭部のオレンジ色や黒い八の字模様も確認点です。
Q2. マイマイガには毒がありますか?
A. ふ化直後の幼虫は、毛や糸、脱皮殻による皮膚炎へ特に注意が必要です。
成長した幼虫でも体毛の刺激や体質によってかぶれる場合があるため、素手では触れないでください。
Q3. マイマイガはなぜブランコ毛虫と呼ばれますか?
A. ふ化幼虫が糸を吐き、枝からぶら下がる姿がブランコに似ているためです。
幼虫は糸と一緒に風へ乗り、別の樹木や建物へ移動します。
Q4. マイマイガの卵塊はどのような形ですか?
A. 褐色や黄土色の毛で覆われた、楕円形や細長い塊です。
大きさは3〜5cmほどが目安で、スポンジやフェルトのように見えます。
Q5. マイマイガはなぜ家の壁へ卵を産みますか?
A. 成虫が夜間の照明へ集まり、近くの壁、電柱、看板、物置などへ止まって産卵するためです。
大発生期には、照明の周辺へ多数の卵塊が付く場合があります。
Q6. 卵塊へ水をかければ駆除できますか?
A. 水で地面へ落としただけでは、卵が生き残って翌春にふ化する可能性があります。
削り取った卵塊は袋へ回収し、自治体の分別方法に従って処分してください。
Q7. マイマイガはいつ発生しますか?
A. 幼虫は4月末から7月頃、成虫は7月下旬から8月頃に見つかりやすくなります。
夏に産み付けられた卵塊は、そのまま翌春まで越冬します。
Q8. マイマイガは何を食べますか?
A. カラマツ、ナラ、カシワ、シラカバ、ヤナギ、リンゴなど、幅広い植物の葉を食べます。
大発生時には農作物や針葉樹へ被害が広がる場合もあります。
Q9. マイマイガは毎年大量発生しますか?
A. 毎年同じ規模で発生するわけではありません。
約10年の間隔で大発生し、2〜3年ほど続く地域があるとされています。
Q10. マイマイガとチャドクガの違いは何ですか?
A. 幼虫の見た目、食べる樹木、人体への影響が異なります。
マイマイガは背中へ青と赤の突起が並び、幅広い植物を食べます。チャドクガは黄褐色でツバキやサザンカへ発生し、微細な毒針毛で強い皮膚炎を起こします。
Q11. マイマイガは家の中で繁殖しますか?
A. 一般的な室内害虫ではありません。
幼虫は植物の葉を食べます。ただし、建物の外壁へ付いた卵塊が暖房の影響を受け、通常より早くふ化する場合があります。
Q12. 街路樹へ大量発生している時はどこへ連絡しますか?
A. 道路や街路樹の管理者となる自治体へ連絡してください。
公園なら公園管理担当、学校なら学校や教育委員会、集合住宅なら管理会社が主な相談先です。
まとめ
マイマイガは、幅広い樹木や草本の葉を食べるドクガ科の蛾です。
幼虫は春に卵塊からふ化し、脱皮を繰り返して最大6〜7cmほどまで成長します。
成長した幼虫では、背中の前方へ青い突起、中央から後方へ赤い突起が2列に並ぶ姿が見分ける手がかりです。
青と赤の点が並ぶ大型の毛虫が代表的な特徴
幼虫の体色には個体差がありますが、オレンジ色の頭、黒い八の字模様、青と赤の突起の配列を見るとマイマイガを判断しやすくなります。
小さい幼虫には色が出ていないため、卵塊や発生時期も合わせて確認してください。
ふ化幼虫は糸と風を使って広がる
卵から出たばかりの幼虫は、枝から糸を出してぶら下がり、風に乗って移動します。
この姿からブランコ毛虫とも呼ばれます。
小さな幼虫、毛、糸、脱皮殻が洗濯物や建物へ飛ぶ可能性があるため、春のふ化期は注意が必要です。
夏の成虫と褐色の卵塊にも注意する
成虫は7月下旬から8月頃に現れ、夜間の照明へ集まります。
照明の近くにある外壁、電柱、看板、物置などへ、数百個の卵を含む褐色の卵塊を作ります。
卵塊はそのまま冬を越し、翌春の大量発生源になります。
成長段階を問わず素手では触れない
人体への影響については資料ごとに表現が異なりますが、ふ化直後の幼虫は特に注意が必要です。
成長した幼虫でも、硬い毛による刺激や体質によるかぶれが出る可能性があります。
幼虫、死骸、脱皮殻、卵塊を素手で触らず、大量発生や高所の卵塊は管理者や専門業者へ相談しましょう🐛
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