夏の終わりから秋にかけて、サクラの枝や幹に黒い毛虫が集まり、地面や歩道を何匹も移動する場合があります。
黒紫色の体へ黄白色の長い毛が生え、成長すると5cmほどになる毛虫なら、モンクロシャチホコの幼虫かもしれません。
見た目が大きく、全身を長い毛で覆われているため、チャドクガやドクガのような毒毛虫と思われがちです。
しかし、モンクロシャチホコの毛には、チャドクガのような毒針毛はありません。
人を刺したり吸血したりする虫でもなく、人体への毒被害は基本的にないとされています。
主な問題は、サクラ、ウメ、ナシ、モモ、リンゴなどの葉を集団で食べる被害です。
大量発生すると、一本のサクラの葉をほとんど食べ尽くし、樹木の下へ大量のフンが落ちる場合もあります。
幼虫が成長すると集団から離れ、幹、地面、歩道、塀などへ広がるため、見た目による不快感も強くなります🌸🐛
今回は、モンクロシャチホコの幼虫・成虫・卵の特徴、サクラへ集まる理由、発生時期、毒の有無、アメリカシロヒトリやチャドクガとの違いを解説します。
モンクロシャチホコはサクラを好む蛾の幼虫
モンクロシャチホコは、チョウ目シャチホコガ科に属する蛾です。
成虫は灰白色や灰褐色の羽を持ち、羽の中央付近へ黒い模様があります。
人体へ害を与える毒毛虫ではありませんが、幼虫がバラ科樹木の葉を大量に食べるため、樹木害虫として扱われる場合があります。
多摩市では、9月頃にサクラへ付く、黒色の体へ黄白色の毛が生えた体長5cmほどの毛虫として紹介しています。
※参考:多摩市「サクラの木につくケムシ(モンクロシャチホコ)について」
名前や見た目だけで危険な毛虫と判断せず、発生した樹木、体色、毛の生え方、時期を合わせて確認してください。
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モンクロシャチホコの基本情報
『モンクロシャチホコ』は、卵、幼虫、さなぎ、成虫へ姿を変える完全変態の昆虫です。
年1回発生する地域が多く、夏に成虫が現れ、夏の終わりから秋に幼虫が目立ちます。
幼虫は成長すると約50mmになる
モンクロシャチホコの幼虫は、ふ化した直後には小さく、赤褐色や茶褐色に見えます。
成長するにつれて体色が濃くなり、終齢幼虫では紫黒色や黒色になります。
体の側面や背中には、黄白色や白色の長い毛が密生し、遠くからでも毛深い姿が目立ちます。
成熟幼虫の体長は約50mmです。
| 確認項目 | モンクロシャチホコの特徴 |
|---|---|
| 分類 | チョウ目シャチホコガ科 |
| 幼虫の大きさ | 成熟すると約50mm |
| 若い幼虫の色 | 赤褐色、紅褐色、茶褐色 |
| 成熟幼虫の色 | 紫黒色や黒色 |
| 毛の特徴 | 黄白色や白色の長い毛が密生する |
| 主な食樹 | サクラ、ウメ、ナシ、モモ、リンゴなど |
| 発生時期 | 幼虫は8月下旬から10月頃に目立つ |
| 人への毒被害 | 毒針毛はなく、基本的に無害 |
幼虫の色は成長によって大きく変わる
モンクロシャチホコを見分けにくい理由の一つが、幼虫の成長に伴う体色の変化です。
若い幼虫は赤褐色で、細く小さい姿をしています。
成長すると体が太くなり、黒紫色へ変化し、白い長毛が目立つようになります。
国土技術政策総合研究所の資料では、幼虫は最初は赤褐色で、成長すると紫黒色へ変わり、黄白色の長毛が密生すると解説されています。
※参考:国土技術政策総合研究所「モンクロシャチホコ」
小さな赤褐色の毛虫と、大きな黒い毛虫が同じ樹木へいる場合、別種ではなく成長段階の違いかもしれません。
腹部を持ち上げる姿がシャチホコに似ている
シャチホコガ科の幼虫には、刺激を受けると頭部や腹部を反り上げる種類がいます。
モンクロシャチホコも、体を反り返らせる姿が屋根の上にある鯱鉾に似て見えるため、この名前が付いたといわれています。
「モンクロ」は、成虫の羽へ見られる黒い紋に由来すると考えられています。
成虫・卵・さなぎの特徴
黒い毛虫として目立つモンクロシャチホコですが、一年中幼虫の姿で過ごすわけではありません。
夏には成虫が現れ、葉の裏へ卵を産み、秋には土の中でさなぎになります。
成虫は灰白色に黒い模様を持つ蛾
成虫は、羽を広げると5cm前後になる蛾です。
羽は灰白色や灰褐色で、中央付近へ黒色や黒褐色の紋が見られます。
幼虫のような黒く毛深い姿ではないため、成虫を見ただけでは同じ昆虫だと分かりにくいでしょう。
成虫は7〜8月頃に現れ、夜間の照明へ飛来する場合があります。
葉の裏へ約30個の卵をまとめて産む
雌成虫は、サクラなどの葉の裏へ卵をまとめて産みます。
卵は一粒ずつ離れているのではなく、約30個がまとまった卵塊になります。
最初は白っぽく見えますが、ふ化が近づくと幼虫の目などが透け、色が濃く見える場合があります。
土の浅い場所で繭を作って越冬する
成長した幼虫は10月頃になると樹木から下り、地面へ移動します。
落ち葉の下や土の浅い場所へ潜り、白い繭を作ってさなぎになります。
そのまま冬を越し、翌年の夏に成虫として地上へ出ます。
| 成長段階 | 主な特徴 |
|---|---|
| 卵 | 葉裏へ約30個がまとまって産み付けられる |
| 若齢幼虫 | 赤褐色で、集団になって葉を食べる |
| 成熟幼虫 | 紫黒色で、黄白色の長い毛が目立つ |
| さなぎ | 地表近くの土中で繭を作り越冬する |
| 成虫 | 灰白色の羽へ黒い模様がある蛾 |
モンクロシャチホコがサクラに集まる理由
モンクロシャチホコは、幼虫がバラ科植物の葉を餌として成長する昆虫です。
特にサクラへの発生が多く、「サクラケムシ」と呼ばれる場合もあります。
サクラの葉が幼虫の主な餌になる
成虫は、ふ化した幼虫がすぐに葉を食べられるよう、餌となる樹木の葉裏へ卵を産みます。
サクラは公園、学校、街路、寺社、集合住宅などへ広く植えられているため、人の生活圏でも発生が目立ちます。
サクラの木が多い地域では、一つの公園や並木で複数の樹木へ発生する場合があります。
若い幼虫は集団で葉を食べる
ふ化直後から3齢頃までの幼虫は、一か所へまとまって生活します。
同じ枝や葉へ多数の幼虫が並び、葉を集団で食べます。
船橋市では、幼齢幼虫の時期に枝分かれ部分などへクモの巣状の巣を作ると案内しています。
※参考:船橋市「公園・緑地の害虫駆除」
アメリカシロヒトリほど大きな白い巣網を作るわけではありませんが、幼虫が集まる枝へ細い糸が見える場合があります。
成長すると集団から離れて樹木全体へ広がる
幼虫が大きくなると、集団生活をやめ、樹木の別の枝へ分散します。
発生初期には一つの枝へ固まっていても、数日から数週間後には木全体へ広がる場合があります。
分散後は、幼虫が幹を移動したり、地面へ落ちたりするため、歩道や庭で黒い毛虫を見かける機会が増えます。
発生しやすい樹木
モンクロシャチホコはサクラを好みますが、サクラだけへ発生する虫ではありません。
ウメ、モモ、ナシ、リンゴなど、バラ科植物を中心に幅広く葉を食べます。
サクラ
モンクロシャチホコが特に多く見つかる樹木です。
ソメイヨシノ、ヤマザクラなど、複数のサクラ類へ発生します。
夏の終わりにサクラの葉が大きく欠けている、幹へ黒い毛虫が並んでいる場合は、発生を疑います。
ウメ・モモ・スモモ
ウメ、モモ、スモモもバラ科の樹木です。
家庭の庭や果樹園へ植えられるため、剪定や果実の管理中に幼虫を見つける場合があります。
ナシ・リンゴ
ナシやリンゴの葉も、モンクロシャチホコ幼虫の餌になります。
多数発生すると葉が広く食べられ、果樹の見た目や生育へ影響する可能性があります。
カイドウ・アンズ・ビワ
カイドウ、アンズ、ビワなどへ付く例もあります。
北海道立総合研究機構は、モンクロシャチホコについて、幼虫は最大約50mmで、サクラやバラ科植物へ発生すると紹介しています。
※参考:北海道立総合研究機構「サクラ属樹木の害虫」
| 主な樹木 | 発生を確認したい場所 |
|---|---|
| サクラ | 枝先、葉裏、幹、樹木の下 |
| ウメ | 葉の重なり、低い枝、幹 |
| モモ・スモモ | 葉裏、果実周辺、剪定枝 |
| ナシ・リンゴ | 葉の食痕、枝先、樹木の下のフン |
| カイドウ・アンズ | 葉裏、枝分かれ部分 |
| ビワ | 葉の裏、枝、幹の周辺 |
モンクロシャチホコの発生時期
モンクロシャチホコは、一般的に年1回発生します。
幼虫は “8月下旬~10月頃” に目立ち、特に9月に大量発生を感じやすくなります。
成虫は7〜8月頃に現れる
前年から土中で越冬していたさなぎは、夏になると羽化します。
成虫は夜間に活動し、サクラなどの葉裏へ卵を産みます。
幼虫は8月下旬~9月に増える
卵からふ化した幼虫は、8月下旬頃から見つかるようになります。
日野市では、8月末~9月にかけて、サクラ、ウメ、ナシなどの葉へモンクロシャチホコ幼虫が発生すると案内しています。
※参考:日野市「樹木害虫の発生」
ふ化直後は赤褐色の小さな幼虫ですが、9月中に急速に成長し、黒く大型の姿へ変わります。
10月頃に地面へ下りる
成熟幼虫は、さなぎになる場所を探して樹木から下ります。
幹、歩道、塀、庭、落ち葉の上などを移動し、土の浅い部分へ潜ります。
秋に道路や公園の地面で黒い毛虫を多数見るのは、土中へ移動している途中の場合があります。
| 時期 | 主な状態 |
|---|---|
| 冬から春 | 土中の繭でさなぎの状態を保つ |
| 7〜8月 | 成虫が羽化し、葉裏へ産卵する |
| 8月下旬 | 幼虫がふ化し、集団で葉を食べ始める |
| 9月 | 幼虫が成長し、黒色へ変化して食害が目立つ |
| 10月頃 | 樹木から下り、土中で繭を作る |
モンクロシャチホコによる主な被害

モンクロシャチホコには毒がありません。
しかし、幼虫の数が多いと、樹木の食害、大量のフン、歩道や建物への分散が問題になります。
サクラの葉を大量に食べる
モンクロシャチホコは、食欲の強い毛虫です。
幼虫が集団で発生すると、葉の縁から次々に食べ、葉脈や葉柄だけを残す場合があります。
公益財団法人日本花の会では、大量発生した際にサクラの葉をほとんど食べ尽くすほど食欲が強いと紹介しています。
※参考:公益財団法人日本花の会「モンクロシャチホコ」
樹木の下へ大量のフンが落ちる
幼虫が葉を食べると、黒や暗緑色の粒状のフンが樹木の下へ落ちます。
雨が降っていないのに葉の下で細かな音がする場合、幼虫のフンが落ちている可能性があります。
ベンチ、車、自転車、遊具、歩道、洗濯物などが汚れる場合もあります。
歩道や庭へ多数の幼虫が広がる
幼虫が成長すると、樹木の中だけではなく、幹や地面へ移動します。
公園や街路樹では、黒い毛虫が歩道を横断し、靴や自転車で踏まれる場合があります。
毒はありませんが、毛虫が苦手な人には強い不快感を与えます。
室内へ入る場合もある
窓、玄関、ベランダの近くへサクラなどがあると、幼虫が建物まで移動する場合があります。
洗濯物、靴、荷物へ付着し、室内へ持ち込まれる可能性もあります。
家の中で増える害虫ではなく、屋外の樹木から一時的に入った個体と考えられます。
| 被害 | 主な内容 |
|---|---|
| 葉の食害 | サクラなどの葉を大量に食べる |
| 樹木の丸坊主化 | 大量発生すると葉がほとんど失われる場合がある |
| フンの落下 | 樹木の下、車、ベンチ、歩道などが汚れる |
| 幼虫の分散 | 幹、地面、歩道、塀へ黒い毛虫が広がる |
| 室内への侵入 | 窓や洗濯物を通じて一時的に入る場合がある |
| 心理的な不快感 | 大きな黒い毛虫の集団が恐怖や不安を与える |
モンクロシャチホコに毒はあるのか
モンクロシャチホコの幼虫は、黒い体と長い毛を持つため、毒毛虫と誤解されやすい虫です。
しかし、チャドクガのような毒針毛は持っていません。
長い毛に毒はない
国立市では、モンクロシャチホコには毒がなく、人へ害を与える虫ではないと案内しています。
※参考:国立市「モンクロシャチホコについて」
幼虫へ近づいただけで毒毛が飛び、皮膚炎が出る虫ではありません。
毛へ少し触れたからといって、チャドクガのような強いかゆみや発疹が出る可能性は低いと考えられます。
毒がなくても素手で触る必要はない
毒のない毛虫でも、毛や虫体による物理的な刺激を感じる人がいます。
また、黒く毛深い毛虫の中には別の種類もいるため、見た目だけでモンクロシャチホコと断定するのは避けた方が安心です。
毛虫を移動させるために素手でつかむ必要はありません。
皮膚症状が出た場合は別の原因も考える
毛虫の近くへいた後に強いかゆみや多数の赤い発疹が出た場合は、チャドクガやドクガなど、別の毒毛虫がいた可能性があります。
庭仕事中には蚊、ダニ、ブユなどへ刺されている場合もあります。
症状が強い、広がっている、原因が分からない時は、皮膚科へ相談してください。
アメリカシロヒトリとの違い
モンクロシャチホコとアメリカシロヒトリは、どちらもサクラへ集団発生し、毒針毛を持たない毛虫です。
幼虫の色、巣網、発生する樹木、成長後の大きさに違いがあります。
モンクロシャチホコは成長すると黒くなる
モンクロシャチホコの若い幼虫は赤褐色ですが、成長すると紫黒色になり、黄白色の長い毛が目立ちます。
成熟すると約50mmです。
アメリカシロヒトリは灰色や黄白色に見える
アメリカシロヒトリの幼虫は、淡黄色から灰黒色の細長い体を持ち、白や灰色の毛が生えています。
成熟幼虫は30mm前後で、モンクロシャチホコより小さく見える場合があります。
アメリカシロヒトリは大きな白い巣網を作る
アメリカシロヒトリの若い幼虫は、葉や枝を白い糸で大きく包んだ巣網の中で生活します。
モンクロシャチホコの幼虫も若い時期には集団になりますが、アメリカシロヒトリほど大きく目立つ白い巣網は作りません。
| 比較項目 | モンクロシャチホコ | アメリカシロヒトリ |
|---|---|---|
| 成熟幼虫の大きさ | 約50mm | 約30mm |
| 若い幼虫の色 | 赤褐色 | 淡黄色や黄白色 |
| 成熟幼虫の色 | 紫黒色や黒色 | 灰色や灰黒色 |
| 毛の色 | 黄白色の長毛 | 白色や灰色の毛 |
| 巣網 | 大きな白い巣網は作らない | 葉や枝を覆う白い巣網を作る |
| 主な食樹 | サクラ、ウメ、ナシなどバラ科中心 | サクラ、カキ、クルミなど100種類以上 |
| 毒針毛 | ない | ない |
チャドクガやドクガとの違い
毛虫の危険性を判断する際は、毛の長さだけではなく、発生する樹木や集まり方も確認します。
チャドクガはツバキ科植物へ発生する
チャドクガは、ツバキ、サザンカ、チャなどへ発生します。
黄褐色の幼虫が葉裏へ頭をそろえて並び、微細な毒針毛を飛散させます。
幼虫へ直接触れていなくても、風で飛んだ毛によって強いかゆみや赤い発疹が出る場合があります。
ドクガ類は毒針毛による皮膚炎を起こす
ドクガ類の幼虫も、微細な毒針毛を持ちます。
サクラ、ウメ、バラ、カキなど幅広い植物へ発生する種類がいるため、樹木だけで完全に見分けるのは困難です。
モンクロシャチホコは毒毛虫ではない
モンクロシャチホコは長い毛を持ちますが、毒針毛による皮膚炎を起こす虫ではありません。
足立区も、モンクロシャチホコをサクラ、ナシ、ウメ、モモなどのバラ科植物へ発生する樹木害虫として掲載しています。
※参考:足立区「樹木に発生する虫」
| 比較項目 | モンクロシャチホコ | チャドクガ |
|---|---|---|
| 主な食樹 | サクラ、ウメ、ナシ、モモなど | ツバキ、サザンカ、チャなど |
| 幼虫の色 | 成長すると紫黒色 | 黄褐色 |
| 幼虫の毛 | 黄白色の長い毛 | 長い毛と微細な毒針毛 |
| 人体への毒被害 | 基本的にない | 強いかゆみと皮膚炎が出る |
| 主な問題 | 葉の食害、フン、大量発生の不快感 | 毒針毛による皮膚炎と葉の食害 |
モンクロシャチホコを見つけた時の確認点
黒い毛虫を見つけた時は、毛虫へ近づきすぎず、発生している樹木や数を確認します。
毒がない種類でも、大量発生や高所での作業には危険があります。
サクラやウメに発生しているか確認する
発生している樹木がサクラ、ウメ、ナシ、モモなどのバラ科植物なら、モンクロシャチホコが候補になります。
ツバキやサザンカへ付いている場合は、チャドクガの可能性もあるため、枝や葉へ触れないでください。
幼虫の色と大きさを見る
小さな赤褐色の幼虫が集団でいる、または5cm前後の黒い毛虫へ白い長毛が生えている場合は、モンクロシャチホコの特徴と一致します。
背中へ青と赤の点が並ぶ場合はマイマイガなど、別の毛虫も候補です。
白い大きな巣網があるか確認する
枝全体が白い糸で包まれている場合は、アメリカシロヒトリの可能性があります。
モンクロシャチホコの若齢幼虫も集団になりますが、大きな袋状の巣網は目立ちません。
樹木の下にフンが落ちていないか見る
大量発生している樹木の下には、黒や暗緑色の粒状のフンが多数落ちます。
葉が大きく食べられ、フンが落ちている場合は、木の上に多数の幼虫が残っている可能性があります。
見つけた時に避けたい行動
モンクロシャチホコには毒がありませんが、種類を誤認している可能性もあります。
毛虫を見つけてすぐに素手で触ったり、高い枝へ無理に手を伸ばしたりしないでください。
見た目だけで無害と断定しない
黒く毛深い幼虫には複数の種類がいます。
発生している樹木、体の模様、時期が確認できない場合は、毒毛虫の可能性も考えて距離を取ります。
高い場所の枝を無理に切らない
脚立やはしごを使いながら毛虫の付いた枝を切ると、幼虫が落下して驚き、転倒する危険があります。
道路、電線、隣家へ近い樹木では、専門業者や管理者への相談が安心です。
薬剤を広範囲へ散布しない
薬剤を使用する場合は、対象となる害虫と樹木が製品表示に含まれているかを確認します。
風が強い日や、人、ペット、洗濯物、車、農作物が近い場所では、薬剤が周囲へ飛散するおそれがあります。
登録内容と使用方法を守らずに散布しないでください。
公共の樹木を勝手に処理しない
公園、街路樹、学校、集合住宅の共用部へ発生している場合は、自治体や施設管理者へ連絡します。
個人で枝を切ったり、薬剤を散布したりするのは避けてください。
専門業者や管理者へ相談したい状態
モンクロシャチホコは毒毛虫ではありませんが、発生範囲が広い場合や高所では、自力対応が難しくなります。
複数の樹木へ大量発生している
庭のサクラ、ウメ、モモなどへ同時に幼虫が出ている場合は、幼虫が分散している可能性があります。
枝先だけでなく、幹、樹木の下、隣接する樹木まで確認する必要があります。
樹木の葉がほとんど失われている
葉が大きく減り、樹木の下へ大量のフンが落ちている場合は、幼虫の数が多いと考えられます。
樹木の状態や必要な処置について、造園業者や樹木管理業者へ相談する選択肢があります。
高い枝や道路沿いへ発生している
高所、道路、駐車場、隣家との境界へ発生している場合は、安全を優先してください。
公共の場所なら管理者へ連絡し、私有地なら剪定や樹木害虫に対応する業者へ相談します。
業者へ依頼する前に料金を確認する
害虫駆除や樹木管理を依頼する際は、出張費、見積もり費、樹木の本数、作業範囲、枝葉の回収、薬剤費、追加料金を確認してください。
国民生活センターは、低価格の広告を見て害虫駆除を依頼し、作業後に高額な料金を請求された相談例を紹介しています。
※参考:国民生活センター「作業後に高額請求する害虫駆除業者に注意」
作業前に総額が示されない、説明のない作業を始める、契約を強く急かす業者には注意してください。
よくある質問

モンクロシャチホコは、黒く大型で長い毛を持つため、毒毛虫と誤解されやすい虫です。
サクラや歩道で見つけた際によくある疑問を解説します。
Q1. モンクロシャチホコには毒がありますか?
A. チャドクガのような毒針毛はありません。
人体への毒被害は基本的にありませんが、別の毛虫と見間違える可能性があるため、種類が分からない虫を素手で触るのは避けてください。
Q2. モンクロシャチホコは人を刺しますか?
A. 人を刺したり吸血したりする虫ではありません。
幼虫はサクラやウメなどの葉を食べます。
Q3. モンクロシャチホコは何の木に付きますか?
A. サクラ、ウメ、ナシ、モモ、リンゴ、スモモ、カイドウ、アンズなど、バラ科植物を中心に発生します。
特にサクラへの発生が目立ち、サクラケムシと呼ばれる場合もあります。
Q4. モンクロシャチホコはいつ発生しますか?
A. 幼虫は8月下旬から10月頃に見つかりやすく、特に9月に目立ちます。
年1回発生し、成虫は7〜8月頃に現れます。
Q5. 若い幼虫と大きな幼虫の色が違うのはなぜですか?
A. 成長に伴って体色が変化するためです。
若い幼虫は赤褐色ですが、成長すると紫黒色になり、黄白色の長い毛が目立つようになります。
Q6. モンクロシャチホコとアメリカシロヒトリの違いは何ですか?
A. 幼虫の色、大きさ、巣網に違いがあります。
モンクロシャチホコは成長すると約50mmの黒い毛虫になります。アメリカシロヒトリは約30mmで、若い幼虫が大きな白い巣網を作ります。
Q7. モンクロシャチホコとチャドクガの違いは何ですか?
A. 発生する樹木と毒針毛の有無が違います。
モンクロシャチホコはサクラやウメへ発生し、毒はありません。チャドクガはツバキやサザンカへ発生し、微細な毒針毛で皮膚炎を起こします。
Q8. 黒い毛虫が道路を歩いているのはなぜですか?
A. 成長した幼虫が、土中でさなぎになる場所を探して移動している可能性があります。
9〜10月頃には、サクラから下りた幼虫が歩道や庭を移動する姿が見られます。
Q9. モンクロシャチホコは家の中で繁殖しますか?
A. 一般住宅の室内で増える害虫ではありません。
幼虫は樹木の葉を食べます。室内で見つけた場合は、窓や玄関から入ったか、洗濯物などへ付着した可能性があります。
Q10. 葉を全部食べられたサクラは枯れますか?
A. 一度葉を食べられただけで直ちに枯れるとは限りません。
ただし、繰り返し大量発生する、もともと樹勢が弱い、別の病害虫被害もある場合は、樹木への負担が大きくなります。状態が気になる時は、樹木管理の専門家へ相談してください。
まとめ
モンクロシャチホコは、サクラ、ウメ、ナシ、モモ、リンゴなど、バラ科樹木の葉を食べる蛾の仲間です。
若い幼虫は赤褐色で集団生活を送り、成長すると紫黒色の体へ黄白色の長い毛が生えた姿になります。
成熟幼虫の体長は約50mmです。
黒く毛深い姿でも毒針毛は持たない
モンクロシャチホコは、見た目が毒毛虫に似ていますが、チャドクガのような毒針毛はありません。
人を刺したり吸血したりする虫でもなく、人体への毒被害は基本的にないとされています。
ただし、種類を見間違える可能性があるため、黒い毛虫を無理に素手で触る必要はありません。
8月下旬から9月にサクラへの集団発生が目立つ
成虫は7〜8月頃に葉裏へ卵を産み、幼虫は8月下旬頃にふ化します。
若い時期は集団で葉を食べ、成長すると樹木全体へ分散します。
大量発生するとサクラの葉を食べ尽くし、樹木の下へ多数のフンが落ちる場合があります。
秋に地面を歩く幼虫は土中へ移動している可能性がある
9〜10月頃に幹や歩道を移動する大きな黒い毛虫は、土中で繭を作る場所を探している可能性があります。
公共の樹木へ大量発生している場合は自治体や施設管理者へ連絡し、高い枝や複数の樹木へ広がっている時は専門業者へ相談しましょう🌸🐛
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